非日常との遭遇 -Wonderland- (ページ13)

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「先生は、どうして

現片の先生に

なろうと思ったんですか？」

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先生がいつからカタギリを

好きだったのか気になって、

気づいた時には

こんな質問をしていた。

先生は、少し黙って考えた後、

いつも授業で見せる、

意地悪そうな顔をして

にやりと笑った。

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「‥そのうち、

お教えしましょうかね」

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わたしもつられて笑うと、

先生はすっと立ち上がって、

カタギリのいる方へ

忍び足で歩いて行った。

そして、慣れた手つきで

カタギリを捕まえると、

こちらに戻ってきて

カタギリを見せてくれた。

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「可愛いですね」

「ほら、小指、出してみろ」

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わたしが小指を出すと、

カタギリは顔を上げて

わたしの顔をまじまじと

見つめると、小さな両手で

そっとわたしの小指を包んだ。

先生は見守るような

優しい目でカタギリを見ていた。

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次の日からの現片の授業は、

他の授業に比べて

特に集中して受けるようになった。

先生はあの出来事を覚えているのか、

わたしの目を見て

授業をすることが多くなった。

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そして、今まではすぐに

帰宅していたわたしだけれど、

最近は理科室に入り浸っている。

先生とも少し仲良くなって、

勉強の名目のもと、

色んなカタギリを

見せてもらっている。

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あの質問の答えが分かるのも

あともう少し‥かもしれない。

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fin.