非日常との遭遇 -Wonderland- (ページ11)

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お昼休み、

教科書と読みかけの本を

一緒に両手で抱えて、

次の授業の教室へと向かう。

朝の失敗で懲りたわたしは、

昼休みに本に夢中になって

次の移動教室に遅れるなんて

失敗をせぬよう、

先に移動先に赴いて、

そちらで読書を思う存分に、

楽しむことにしたのだ。

そうすれば、気づかないうちに

授業のスタートダッシュに

出遅れることはないだろうと

思ったのである。

がらり、と音を立てて

移動先の教室の戸を開けると、

やはり、誰もいなかった。

光の射し込む窓際で、

一ヶ所だけ、無造作に

開け放たれた窓のカーテンが

風にはためいていた。

まるで空き巣が入った後みたい、

なんて馬鹿みたいなことを思いつつ、

自分の席を探し当てて

抱えた荷物を机に置いた。

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「ふう･･」

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トイレから出て、

ハンカチで手を拭きながら

廊下をボーッと歩く。

教室で本を読むのも

いいと思うけれど、

この天気なら窓際の台に腰かけて、

日向ぼっこしながら

うたた寝もいいかも･･

ああ、何て素敵なお昼休み。

そんな事を考えながら

歩いていた、その時だった。

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「きゃっ！」

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