ちょっとリアルなトリップモブ3

緋色の終わり1 ページ29

ここ最近安室は休みがちだ。
なので相変わらず安室のいないポアロの女性客はAに対してきつく当たってくるが、この現状に慣れてきたAは嫌がらせを流せるほど心に余裕がでてきていた。
と言うよりは機嫌がいいので気にしなくなっただけなのだが・・・
安室がポアロを休みがちになった頃に、初めてコナンから電話があった。
いつもはメールなので物凄いビックリした。そしてその内容安室の休みがちな理由とAのテンションを上げるには十分すぎるのもだった。

その内容だが。
杯戸小にて教師が階段から突き落とされると言う事件がおこり、その小学校の教師の友人であるFBIのジョディ―と共に杯戸小に行くと、そこで探偵として安室が現れたそう。
たったそれだけ聞いただけで、いまどこまで話が進んでいるのかがわかりテンションが上がる。

――緋色シリーズだ！！しかも後半に差し掛かってる！！と口元が緩むのを抑えられない。
電話越しなので誰にも顔を見られることはないが、電話相手のコナンにバレたら怒られそうなので必死に声を抑える。

「そう。それで？コナン君がわざわざ電話してくるくらいだから何かあるんでしょ？」

『ううん。もう用は済んだからもういいよ』

「は？」

まさか今の現状だけを伝える為に電話をしたのだろうか？と疑問に思う。

『俺の話を聞いてAさんが嬉しそうだからこの話知っているんでしょ？Aさんの反応で今回誰も死なないと確認できたから、これで心置きなく安室さん対策が練れるよ。ありがとう』

言うだけ言ってガチャッと切られた。
耳には《ツーツー》と通話が切れた音が響く。

――私の反応を見る為にメールじゃなく電話にしたの？えっ？コナンからの初めての電話がこれ？
現状を生で知れて嬉しい反面、電話された理由が複雑で素直に喜べない・・・

それでも、安室が公安だとバレるまでそう時間はかからない。
確かポアロのシフトは今週はフルで入っているはずだ。
そして安室の出勤日と全て被っている。
という事はあのシーンが生で見られるかもしれない！
そう考えればテンションがどんどん上がってくるのがわかる。
緋色シリーズの最後の最後。コナンがポアロに来て安室に「嘘つき」と言うあのシーンがかなり好きなのだ。
それがいつになるのかわからないが、ぜひ目の前でそのシーンを見てみたい。
その日を楽しみにポアロでコナンが来る日を待った。

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