デジャブ・・・からの27 ページ27
「簡単に言えばあなたが家に向かった後。車が爆発して遠回りをする時間がなかったので炎上する道を通り、走ってあなたを追いかけたところに殴られそうなあなたを見て助けに入ったと言う事です」
笑顔で話しているが火の海に飛び込むあたり尋常じゃねえとAは若干引いている。
だから安室の姿はボロボロだったのだと同時に納得した。
「『簡単に』と言っていますが、やってること尋常じゃありませんからね?自重してください」
「ふふ。胆に銘じておきます」
――ホントかよ。
そう言って外に視線を向けるAを横目で見る安室。
あの後、思った以上の長距離を全速力で走ることになってしまい話すことができないほど息を切らす羽目になってしまった。
怖かったはずなのに、戸惑いながらもAが安室を心配し背中を擦ってくれた。
その優しさがあの時の安室には心が痛かったが、同時に嬉しくもあった。
ポアロにいる間は何があっても彼女を守ろうと安室は心に決めた。
――後日、ポアロにて――
「Aさんその腕どうしたんですか?」
梓の何気ない一言にAは《ギク》と肩を揺らす。
何を隠そう。実はあの時、男に腕を掴まれた際かなりの力で握られた為に骨は折れていないものの痛めてしまったのだ。
湿布を張って取れないように包帯で巻いたのだが、安室に知られると厄介なので見えないように長袖で隠していた。
梓にも心配されるのは目に見えていたので黙っていたのだが、高いところの物を取ろうとして腕を上げた際に見えたようだ。
「転んだ時に腕を痛めただけですよ」
ちょうど今は安室が買い出しでいない時間帯の為内心ほっとしながらも、梓に「安室さんにも無駄な心配をかけたくないので黙っていてくださいね」とさらっと嘘をつき口止めをする。
――安室にバレてなんかみろ。怒られるに決まってんじゃねーか。
完全に自分本位だが仕方ない。だって怖いんだ!と包帯をしている腕を袖で隠す。
「心配するのに無駄も何もありませんよ。いったいどこで転んだか詳しく話せますよね?」
背後から聞こえた声にAは固まった。
なぜ買い出し中のはずの安室がここにいる?と恐る恐る振り向くと、笑顔の般若様が「車で行ったからですよ」と心の声を読まれた。
そして「あっちでじっくりお話ししましょうか」と安室に腕を取られバックヤードへ連行される。
梓には天使の笑顔で「いってらっしゃーい」と手を振り見送られる。
――梓さんの馬鹿ーー!!
心の中で絶叫した。
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9Sに殺されたいロリコン - 主ちゃんって…美少女なんですかね? (2019年9月7日 13時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
うさまろ(o^^o)(プロフ) - 続きがとても気になる作品です。更新頑張ってください! (2019年6月9日 11時) (レス) id: 710cd8956c (このIDを非表示/違反報告)
丸井(プロフ) - フラグ…フラグだ!!逃げて主人公ちゃん! (2019年6月6日 22時) (レス) id: 08724b31ed (このIDを非表示/違反報告)
皿 - 梓ちゃん良かったね!続き楽しみにしてます! (2019年6月6日 14時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです★続き楽しみにしてます。お身体に気を付けて更新頑張ってください! (2019年6月1日 4時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月21日 16時