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デジャブ・・・からの14 ページ14

後そこの曲がり角を曲がればすぐそこが家だ。
街灯がある為比較的明るいが、それでも今は夜の為人通りは少ない。
怖いので速足のまま角を曲がろうとして人にぶつかった。

――曲がり角でのぶつかる率高くない?もう何度目だよ・・
勢いよくぶつかったため、後ろに倒れそうになったが咄嗟に相手に腕を掴まれ転倒を防いでくれた。

「大丈夫ですか?」

相手は優しそうな男性だった。

「だっ大丈夫です。ありがとうございます」

今回はコケていないので汚れなかったし、何より荷物をぶちまけずに済んだ。
そしてぶつかった事を詫びた時に「もしかしてこの前の?」と男性から声をかけられた。
何のことかと顔を上げた男性の顔を見たが記憶にない。

「すみません。どこかでお会いしましたか?」

「あれ?覚えてない?数週間前も道の角でぶつかりましたよね?」

何だか白々しいなと思いながら男の顔を見る。

「あぁ!ペンを落とした人!」

たぶんそうだろうと思って言ってみたがビンゴだったようで男が笑顔になる。

「覚えててくださったんですね!よかったです!実はずっとあなたを探していたんですよ」

男のセリフに――マジか!?と思いながらも口にしない。
男が言うにはAが拾ったペンはある人からもらったもののようで大事なものだと言う。
たとえコンビニで売っている安物でも大切なものだそうで返してほしいのだとか。

「真新しいものだったので、もし会えたら返そうかと思って持っていたんです」

最初に思っていた事を伝える。その後会えないので仕事で使ってましたとは言わない。
ちょうどカバンに入っていたのでペンを彼に返して「返せてよかったです。では」とこの場を去ろうとした。

「待ってください」

すれ違いざまに腕が捕まれる。

「このペンの中身を見ましたか?」

驚いて彼を見ると、先ほどと違い優しそうな彼は消えていた。

「いえ・・私は見ていません」

光を宿さない瞳がこんなに怖いと知らなかった。
Aの返答に「そんなはずがないだろう」と掴んでいる腕に力を籠める。
ギリギリAの腕が悲鳴を上げる。

「いっっーー!?」

痛みでAの顔が歪む。
本当ならここで大きな声を出して助けを呼ぶなり足を蹴ったりと何とかしてこの男から逃げた方が良いのだろうが、恐怖と今までにこんな経験がないためどうしたらいいのかわからず完全に固まってしまった。

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9Sに殺されたいロリコン - 主ちゃんって…美少女なんですかね? (2019年9月7日 13時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
うさまろ(o^^o)(プロフ) - 続きがとても気になる作品です。更新頑張ってください! (2019年6月9日 11時) (レス) id: 710cd8956c (このIDを非表示/違反報告)
丸井(プロフ) - フラグ…フラグだ!!逃げて主人公ちゃん! (2019年6月6日 22時) (レス) id: 08724b31ed (このIDを非表示/違反報告)
- 梓ちゃん良かったね!続き楽しみにしてます! (2019年6月6日 14時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです★続き楽しみにしてます。お身体に気を付けて更新頑張ってください! (2019年6月1日 4時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月21日 16時

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