日常6(安室side) ページ31
そんな彼女はなぜ怒られているのかわからないのだろう。
困惑した表情をしていたが、徐々に落ち込んでいった。
謝ってほしいわけではなく、もっと人を頼ってほしいだけなのだが、次からはちゃんと連絡するように彼女に伝えたのだがわっただろうか?
その後できるだけ明るく振る舞っているようだが、やはりいつもより元気はなく、いつも通りに振る舞っているようだが、人より洞察力が優れている僕にとって、どれだけ取り繕うと彼女の態度の変化など手に取るようにわかる。
とりあえず怖がらせたようでちょっときつく言い過ぎてしまったと、せっかくのチャンスを無駄にしてしまった。
その後あの手この手で彼女に近づこうと試みるがタイミング悪く邪魔が入り、今日に限って途切れることなくお客さんが帰っては来店してくる。
交代で休憩を回したが、閉店間際にはだいぶ疲れがにじみ出ていた。
――たしか彼女は夜勤明けだったはず。
「Aさん後は僕がやっておきますので、今日はもう上がって大丈夫ですよ?」
彼女が夜勤明けなのは風見からの情報で知っていた。
彼女は「あと少しなのでやっていきます」と断られ、閉店作業を黙々とこなしていく。
1人で作業をすれば1時間かかる作業も2人でやれば30分もせず終わるのでそれ以上は何も言わず、できるだけ早く作業を終わるように手際よく片付けをした。
作業が終わり「Aさん」と声をかける。
「・・なんでしょう?」
「今日はいつも以上にお疲れの様ですし、家まで送りますよ?」
彼女は僕の顔をじっと見たまま固まった。
何かを思案している様だが、流石にわからない。
そして彼女が口を開こうとした時に携帯のバイブが鳴った。
バーボンとして使っている携帯だ。
相手はバーボンのパートナーであるベルモット。
組織まで邪魔してくると内心舌打ちをする。
Aに断りを入れて外に出てからベルモットの電話に出る。
一言二言会話をしてから通話を切った。
こういうう時に限って組織の仕事が入る。
苛立ちを隠しつつAに送れなくなったと伝えようと振り返ると、僕の荷物を持ってポアロの鍵を閉めていた彼女がいた。
いつの間にか戸締りの確認を終えていたようで彼女一人にに仕事をさせてしまったと申し訳なく思う。
「これ、安室さんの荷物です。私の家は此処から近いので送らなくても大丈夫です。気を付けて帰ってください」
彼女は「お疲れ様です」と言い背を向け帰ってしまい、組織に苛立ちを覚えながら盛大にため息をついた。
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和佳子(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。読み返して気づいたのですが、世良ちゃんは真澄じゃなくて真純だったような気が⋯⋯ (2023年3月18日 17時) (レス) @page36 id: 30e7fd0f4c (このIDを非表示/違反報告)
さち - 楽しいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月15日 23時) (レス) id: b262052ad2 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - はじめまして、早速面白い作品に出会えて良かったと思ってますww滅茶苦茶面白いですww最後の不機嫌な降谷とか笑いましたね!風見さんも何だかんだかわいいし…とことん降谷さんの邪魔をしてほしいですね!その方が個人的に面白いのでww (2019年5月13日 1時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
パパイヤ(プロフ) - 読ませてもらいました!とっても面白かったです。私もつい最近描き始めたのでお互い頑張っていきましょう!次の投稿も楽しみです! (2019年5月2日 21時) (レス) id: 01af9cd7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月2日 3時