ちょっとリアルなトリップモブ

とうとう3 ページ26

安室が来る前は何度か1人で店を回していた事があるので、大変だがやれない事はない。
今は落ち着いている時間帯なので、今のうちに出来るだけ明日の仕込みをしておく。

「ありがとうございました！」

何人かいたお客様も帰られテーブルを片付けていると、上にある毛利探偵事務所からコナン達と安室が出て行くのが見えた。
それを見てみた事ある光景だなとふと思った。

――いや、それは漫画の世界か・・。とこれから何度も見る光景だなと結論づけ、どうせコナンがいるんだから何かしら事件になるんだろうなぁと軽く考えていた。
コナン行く場所に事件有り。いや、コナンがいる場所事件有り？
本人の意思関係なくても事件が起こるのだから『事件ホイホイ』や『死神』と言われるのは不本意だろうなぁと、ものすごく他人事だ。
コナンとは何度か話したことがある程度なので、これぐらいの距離なら事件に巻き込まれない事に気付いたAはこれからも深くかかわらないように努める。

――私は傍観者でいたい

切実にそう思う。
そしてふと時間を見るともうすぐ2時にになりそうだった。
慌てて片付けをして仕事をしていくと、上から《パン》と爆竹のような音がした。
何事かと思ったが、とりあえず店ではない事に安堵する。
しばらくすると警察が探偵事務所に入って行くのが見えたので、探偵事務所で何かあったのだろう。
そこで思い出した。
もしかして、今日が初めて安室がコナン達の事件に出てくる話ではないのだろうか？
働き倒しているAがテレビを見ている時間はない。
もしかしたらニュースで銀行強盗だっけ？が流れていたのかと思いやってしまった感が凄い。
まぁ、テレビ見ていたところでコナンの世界ではたくさんの事件が勃発しているので、どれがコナンと関わりのあるニュースかわからないし事件にかかわる気0のだが・・・それでも悔しい。
このちょっとしたイライラをぶつけるように仕事に没頭していたが、現場検証やら事情聴取やらが終わったのか警察が引き上げていくのが視界に入った。
そしてコナン達もどこかへ行く様で、見知らぬ女性も一緒に降りてきた。
一度思い出してしまえば何となく話の流れはつかめるので、あの女性が依頼者でこれから彼女の家に行くんだろうなぁと漫画の世界に紛れ込んでいる自分がちょっと面白く感じた。

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