近くて遠い4 ページ44
いつもと違う口調になった安室は驚くが、Aの様子で瞬時に理解する。
「なら、僕が乗せて行きますよ。それなら確実に間に合います」
先程とはうって変わり笑顔の安室にAは一瞬思考が停止する。
お客さんや梓に対して笑う事はあってもAに対しては今までなかったからだ。
何だか今までの嫌だったことや辛かった事が吹き飛んだ気分だ。
「Aさん?」
安室の声にハッとしそれどころじゃない事を思い出し「お願いします!」と懇願した。
あまりの勢いに一瞬たちろぐが、すぐに駐車場へ案内してくれた。
こんなところに駐車場あったんだと思いながら安室に促されるまま車に乗る。
後部座席に乗ろうと思ったが、安室に「時間がないので助手席に座ってください」と言われるまま座る。
シートベルトを確認した安室は「しっかり掴まっててくださいね?」と発進した。
この時時刻は9:40
交通速度を明らかに違反しているがそれどころではない。
「ヒィッッ!!!!!」
遊園地にあるジェットコースターは大好きだ。丸一日乗っていられる自信はある。
だが、リアルな交通の便がある中の猛スピードがこんなにも怖いと思わなかった。
運転手が安室なので決して事故や死亡する事はないとわかっても怖い。
スリルと恐怖は紙一重だ。
これは栗山緑が絶叫しもう乗らないと決意するには納得いくものがある。
さすが安室と言ったところだろうか。僅か10分弱でコンビニに着いた。
恐怖により精神的にふらふらだが仕事の為何とか車から降りる。
「安室さん。送ってくれてありがとうございました。では気を付けて帰ってください」
扉を締めコンビニへ歩き出したところで「Aさん」と助手席の窓を開けた安室がAを見ていた。
「コンビニの仕事が終わったら、連絡ください。迎えにきますので」
――何言ってんだ?この男は。
そう言いたくなったが出勤時間が迫っているので、とりあえず「わかりました」と返事をして仕事に向かった。
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和佳子(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。読み返して気づいたのですが、世良ちゃんは真澄じゃなくて真純だったような気が⋯⋯ (2023年3月18日 17時) (レス) @page36 id: 30e7fd0f4c (このIDを非表示/違反報告)
さち - 楽しいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月15日 23時) (レス) id: b262052ad2 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - はじめまして、早速面白い作品に出会えて良かったと思ってますww滅茶苦茶面白いですww最後の不機嫌な降谷とか笑いましたね!風見さんも何だかんだかわいいし…とことん降谷さんの邪魔をしてほしいですね!その方が個人的に面白いのでww (2019年5月13日 1時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
パパイヤ(プロフ) - 読ませてもらいました!とっても面白かったです。私もつい最近描き始めたのでお互い頑張っていきましょう!次の投稿も楽しみです! (2019年5月2日 21時) (レス) id: 01af9cd7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月2日 3時