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炭「いらっしゃいませ!
来てくれたんですね!」
カナ「うんっ、禰豆子は…」
炭「ああ、禰豆子は今裏で母さんの作業を手伝ってる所で....俺はレジで待ってるんで、買いたいパンがあったら言ってください!」
炭治郎はカラン…と耳の髪飾りを揺らせて、
先に並んでいるお客さんのお会計を済ませる。
パンをトレーに乗せて、
炭治郎がいるレジに向かった。
慣れた手つきで会計を済ませて
私の手にレシートとお釣りを置く。
炭「禰豆子と仲良くしてくれてありがとうございます!カナヲはすごく綺麗で優しいって、いつも禰豆子から聞いてますよ!
…これ、おまけです!」
そう言って炭治郎は、
小さいメロンパン風のクッキーが入った
可愛らしい小包を渡してきた。
私と目が合った大きい瞳が、
西日に照らされていつもよりもっと赤く見える。
その瞬間、胸がギュッと締め付けられるような感覚になった。
それからだった。彼を意識し始めたのは…
私の様子の異変に気付いたのか、
禰豆子が私に問いかけて来た時があった。
誰かを好きなことを打ち明けるなんて
したことがなかったから、
禰豆子にさえこの気持ちを隠してしまった。
華道部がない日の放課後は毎回といって
いいくらい、かまどベーカリーに通い続けた。
炭治郎はいつだって、
私に笑顔で出迎えてくれていた。
気付いていたの。
そのたびに、
この気持ちが大きくなっていくのを。
彼にもし、恋人がいたって構わない。
私の事、好いて欲しいわけでもない。
ただ、彼に分かって欲しかった。
私の貴方への想いを…
そして、体育祭が終わったあと…
この気持ちを炭治郎君へ打ち明けた。
「ずっと、好きだったの。
炭治郎…私と、付き合っ…て…」
…
…
体育祭だった今日、
夕焼けに染まる駅のホームで
私は炭治郎に告白をした。
炭治郎はまあるい瞳をもっとまあるくして
同時にスポーツドリンクを飲もうとした手をピタッと止める。
炭「…。
俺でよければ!」
少し考えたように見せた炭治郎は、
勢いよく両手で私の手をそっと握り
返事をしてくれた。
嬉しさのあまり、
いつの間にか私の両頬には涙が溢れ出ていた。
炭治郎君はズボンのポケットから
市松模様のハンカチを取り出して私の涙を拭き取る。
炭「カナヲっ?!大丈夫か??涙、収まらないならこれ、ずっと持ってていいぞ!!」
カナ「うんっ…うん……ふふっ」
信じられない。
こんなこと、夢みたい…
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night(プロフ) - 大好きです! (2023年1月18日 16時) (レス) id: 5602430d0e (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - とても好きな話です! 更新楽しみにしています! (2021年12月8日 14時) (レス) id: e6cdaefa61 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - 炭治郎怖いけどこーゆーのもすきですね...更新お願いします!!! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たんじろこわい、、、でもそんなところも嫌いじゃない、、、更新楽しみにしてます、、! (2020年10月29日 9時) (レス) id: 26a5fa8b7e (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 - 更新楽しみにしてます (2020年8月12日 23時) (レス) id: 0c7894f68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみ | 作成日時:2020年3月18日 19時