検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:27,462 hit

70 ページ20

母「ん、そういえばねぇ、Aがここに来る時竈門くんっていう男の子と話したのよ〜」

『っ!!…ゴホッゴホッゴホッッ』

母「え、ちょっとあんた大丈夫?!?」


思い切りむせた私を、
母が私の背中を強くさする。
咳をしすぎて喉が痛い。


『な、なんで…か、竈門君と…?』

母「ほら、さっきちょっと風強かったじゃない?その拍子であたしの帽子が飛んじゃってね〜。
それでその、竈門君が取ってくれたのよ〜」

『…でもなんで名前まで知ってるのっ。』

母「そうそうそれがね、帽子を拾ってくれた時に私の顔見て、〈もしかしてAさんのお母さんですか?〉って。
〈俺、竈門炭治郎って言います。同じクラスなんですよ〉って言ってきたのよ〜!」

『…。』

顔を見て私の母親だと分かるなんて、
炭治郎君すごいな。
私、どっちかっていうと顔はお父さん似って言われることが多いのに。

母「ねえねえ、その竈門君って子なかなかイケメンじゃな〜い?あんた、つかまえちゃいなよ〜」

つかまえちゃいなよって…
てか逃がしたっての。






少し強かった風は収まり、
休憩用のテントから出ると
じわじわと太陽の熱が暑く感じた。

ハチマキを巻き直して、
靴を脱ぎ、靴下も脱いで無くさないように靴の中に忍ばせる。

「あっつー、日焼けするわーこれ。」

「それなぁ〜」

13時20分。
騎馬戦に向けて、白い線の内側には
1学年の女子たちが班ごとに並んでいた。

暑い。暑いのに、
これから騎馬戦という名の地獄が始まると思うと、
それだけで指先が凍りつくように冷たくなる。
確実に、周りから見たら私の足が震えているのが分かるはずだ。
逃げ出したい…


「.....もーし。あの、大丈夫ですか?」

不意に誰かが私の目の前に
蝶の髪飾りをつけた女生徒が現れて、
ドキッとして慌てて返事をする。

『は、はいっ...』

よく見てみると、
とても整った顔をしている。
女の私でも思わず見入ってしまうほどにだ。
背は私よりも低いけれど、...先輩?だろうか。


「返事が随分と遅いですね。顔色も良くないみたいですし...」

『い、いえ大丈夫ですっ、ご心配ありがとうございますっ...』

「そうですか...あまり無理なさらないで下さいね。午前中だけでも3人程熱中症で体調を崩した方がいらっしゃったので。」

そう言って、先輩は私のそばを離れて行った。


あ、今...花の香りがした気がする...

71→←69



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (116 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
228人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

night(プロフ) - 大好きです! (2023年1月18日 16時) (レス) id: 5602430d0e (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - とても好きな話です! 更新楽しみにしています! (2021年12月8日 14時) (レス) id: e6cdaefa61 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - 炭治郎怖いけどこーゆーのもすきですね...更新お願いします!!! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たんじろこわい、、、でもそんなところも嫌いじゃない、、、更新楽しみにしてます、、! (2020年10月29日 9時) (レス) id: 26a5fa8b7e (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 - 更新楽しみにしてます (2020年8月12日 23時) (レス) id: 0c7894f68f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なみ | 作成日時:2020年3月18日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。