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と、関係ないことを考えながらも私はハッとした。

直接顔を合わせてしまう前にも、早く連絡を返さないと…

私はブルーシートに入る前に、
少し後ろに後ずさりしてスマホを見る。

タッタッタッ…と、誤字がないように
慎重に文字を打った。


[ありがとう。炭治郎君に探してもらうのも申し訳ないけど、私が上に乗ると足を引っ張ってしまうかもしれないから、お願いしてもいいかな?]


送信....


...


送信ボタンを押そうとする私の手が、
ギリギリの所でピタッと止まる。




少し考えて、

私は
[ありがとう。]の部分だけを残し他は全て削除した。


タッタッタッ...と、今度は落ち着いた様子で文字を打っていく。


[ありがとう。
お願いしたいところだけど、
私やってみるよ。]


ポンッ、と送信ボタンを押した。


こういう時、
可愛らしい女の子は甘えられることができるのだろう。

でも、でも....今彼の優しさに触れたら

優しさと言う名の罠にかかって
二度と戻れない気がしたから。


私はクラスメイトたちが座る
ブルーシートの端で体育座りをして、
他学年がリレーをする姿を眺めた。

あの時バトンを落としてしまった、
誰も覚えていなさそうな私のトラウマを

今日、騎馬戦で成功させて少しでも
上書きできたらいいなって。


「華村。」

後ろから義勇が私の肩を叩く。
振り返ると、膝をついてコソッと私に話しかけてきた。

冨岡「一応確認する。
騎馬戦、お前が上でいいんだな。
グループの女子によれば、お前が自ら立候補したと聞いたが...」

...あの人たち、勝手なこと言うな。

『...うん、そう。私がやりたいって言ったの。』

冨岡「...そうか、分かった。」

それだけ言って義勇は
紙に私の名前を書き込みスタスタと教員のテントに向かう。

私が自ら上に乗りたいなんて言わないって分かってるから、確認しに来たんだろうな。

もう、余計なお世話だって...。




...




母「あ、Aどこ向いてんのよ!こっちよ〜!」

甲高い母の声ですぐに居場所がわかった。
今は12時10分、
騎馬戦まであと...


母「何あんた、顔色悪いわねぇ。
ほらほら食べた食べた!
Aの好きなお稲荷さんたくさん作ってきたんだから〜」

母はそう言って私の紙皿にお稲荷さんを
3つも乗せてくる。
...ああ、そんなに食欲ないってば...。

とりあえず、乾いた口内を潤すために
水痘の蓋を開けゴクゴクと注ぎ込む。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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night(プロフ) - 大好きです! (2023年1月18日 16時) (レス) id: 5602430d0e (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - とても好きな話です! 更新楽しみにしています! (2021年12月8日 14時) (レス) id: e6cdaefa61 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - 炭治郎怖いけどこーゆーのもすきですね...更新お願いします!!! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たんじろこわい、、、でもそんなところも嫌いじゃない、、、更新楽しみにしてます、、! (2020年10月29日 9時) (レス) id: 26a5fa8b7e (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 - 更新楽しみにしてます (2020年8月12日 23時) (レス) id: 0c7894f68f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみ | 作成日時:2020年3月18日 19時

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