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軽くシャワーを浴びて、髪を乾かす。
後ろの方は少しだけ濡れているけど、
外で歩いているうちに乾くだろう。
白いTシャツを着て、慌ててジーンズを履こうとするがよろけてしまう。
そんなことをしているうちに時計の針は16時を指していた。
小さめの鞄に、携帯とICカード、それとスマホを乱暴に入れて急いでバスに乗り、駅に向かう。

プレゼントを買いに行った駅は覚えている。
父と遊びに行ったことがある駅だったからだ。

ピッとICカードをかざして改札を抜けると、
前を通る男子中学生とぶつかりそうになってしまった。

「なっ?!危ないだろう!!」

『す、すみませんっ…!』

「っ…醜女め…!」

そう言ってスタスタと歩いていく。
かなり怒っていたけど、何もされないでよかったと胸を撫で下ろし、私は駅のホームに向かった。

さっきの男子中学生の制服を見て気が付いた。
そうか、下校の時間だ。
炭治郎君に…会ってしまうかもしれない。
いや、彼のことだからもう少し早く帰って
家の手伝いをしているだろう。

パン屋…そういえば、
彼が働いているパン屋の名前を聞いたことがなかったな。

まさか、私が今から行く店で働いているなんてことあるはずないだろう…


『つぎは、〇〇駅です___…』

ぼーっとしているうちに到着してしまった。
辺りはすっかり夕焼け色に染っている。
もうすぐ6月に入るからか、
慌てて着たTシャツ1枚でも心地良かった。

駅から徒歩10分くらいだろうか、
どこか懐かしいような道を歩いていくと、
父が好きそうな古びた模型店が見えた。
そう、最初に見えるのは私は父の日のプレゼントにここへ訪れたのだ。

でももう少し先に目をやると、
そこで小さな男の子が泣いていて
私は思わず模型店に入る前にその子に近づいて…

と、2年前のことを少しずつ思い出しながら
パン屋の目の前に立つ。


『かまどベーカリー』

店の前に大きく書かれた文字は私の足を止めた。
確かにここのはずだ。
2年前、私がここへ訪れた場所は____




「…何してるんだ?」



振り返ると、大きい包みのようなものを持ったエプロン姿の炭治郎君がいた。

『…!え、た、炭治郎君こそ…どうして…』

炭「どうしてって…ここ、俺のパン屋だからな」

カランカラン…
彼は素っ気なくそう返して、包みを運び器用に扉を開けて中へ入っていく。

数秒固まって立ち尽くしていたが、私もすぐ彼の後を追ってパン屋の扉を開けた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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night(プロフ) - 大好きです! (2023年1月18日 16時) (レス) id: 5602430d0e (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - とても好きな話です! 更新楽しみにしています! (2021年12月8日 14時) (レス) id: e6cdaefa61 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - 炭治郎怖いけどこーゆーのもすきですね...更新お願いします!!! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たんじろこわい、、、でもそんなところも嫌いじゃない、、、更新楽しみにしてます、、! (2020年10月29日 9時) (レス) id: 26a5fa8b7e (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 - 更新楽しみにしてます (2020年8月12日 23時) (レス) id: 0c7894f68f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみ | 作成日時:2020年3月18日 19時

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