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俺はそれを目にした瞬間、
血の気が引くのが分かった。

【盗聴】

その言葉が脳内で響き渡る。

明らかに、これは異常な人間がすることだと
俺はちゃんと理解している。
ただ俺がこんなことをするのは、
Aが心配だから。好きだから。
放って置けないから。
それだけを理由にしてはいけないのだろうか。

ただ、
今それを言ったとしても
善逸は理解してくれないだろう。

意地でも冷静を保とうとけど、
危機感のせいだろうか、
いつもより鼓動が早くなってしまう。


ああ、本当に...嘘は苦手だ。


炭「...わかった。Aに返しておくよ」

如何に平然としていられるか試されているようだった。

善「...はい」

炭「ん、ありがとな」

善逸が俺の手にソレを渡そうとしたその瞬間...


バキッと、
呆気なく物が壊れる音がした。


善逸視点


炭「え、....」

炭治郎は俺が思いっきり踏みつけたソレをじっ...と見て固まっている。

善「ごめん炭治郎。
俺、炭治郎に早くこんなことやめてほしくってさ」

...数日前、炭治郎が教室で
Aちゃんの鞄にソレを入れているところを目撃した。
その時の炭治郎の音は、
言葉では表せない...今までで一度もアイツからは聴いたことがない音だった。

俺は、偶然Aちゃんが
鞄から落としたソレを拾い
小さく記入されている文字をスマホで検索した。


ソレは、超小型盗聴器だった。


俺は絶対に炭治郎に渡しちゃいけないと確信し、
気付いたら俺はソレを足で跡形もなく
踏みつけていた。


もう使い物にならないように。



炭「...。ああ、いい。
気にしなくていいぞ善逸。
壊れてしまったならまた買いなおせばいい」

かがみ込んでちりぢりになったソレを落ち着いた様子で拾う炭治郎からは、
苛立ちのその上をいくゾッとするような音が聴こえる。
それでいて顔は不自然にニッコリしているから、
自然とこっちが後退りしそうだった。

善「も、もうやめろよ。Aちゃんが...可哀想だよ」

どうすればいい。

どうすれば、炭治郎を止められるんだろう。

炭「...」

俺は、目を合わせずに無言で拾い続ける
炭治郎の肩をがっちり掴む。

善「た、炭治郎ッ!!
はっきり言うけど、お前おかしいよ!!
だ、だってこれって...と、盗聴してたってことだよねぇ?!」

俺がそう言った瞬間、
炭治郎の顔はスッ...と真顔に変わり、
肩を揺さぶる俺の手を思いっきり振り払い、
片手で俺の首を抑えてきた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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なみ(プロフ) - 沙良さん» 読んでいただきありがとうございます! (2020年4月4日 18時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
沙良 - この作品大好きです。後編も頑張って下さい! (2020年3月26日 15時) (レス) id: 00d3994dfc (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - あいすさん» おお!ありがとうございます!がんばります! (2020年3月18日 20時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - 鳴海さん» 後編頑張りますねっ! (2020年3月18日 20時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - この作品大好きです!続編も頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 3a45dfb233 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみ | 作成日時:2019年11月22日 23時

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