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向かい合って座っている炭治郎君に
「やっぱりもう少し静かな場所がよかったか?」
なんて優しい言葉をかけられたら大丈夫と答えるしかないだろう。
…できればやっぱり一人で静かに…なんて言えるはずもなく。

炭「A、ご飯美味しいか?」

『うん』

炭「良かったなぁ!」

これはこれで悪くないと思ってしまう。
お昼休みに好きな人とご飯を食べるなんて、
少女漫画のワンシーンのようだ。
それでもやっぱり、
彼に顔を見られながら食べるのは緊張して汗をかいてしまうし、
どこに視線を置いたらいいかわからない。
…それに、さっきから炭治郎君は私の姿ばかり見ていている気がする。
お昼休み残り少ないけど、お弁当に手をつけなくて大丈夫なのだろうか。


『た、炭治郎くんは…食べない、の?』

炭「!…そうだった!俺も食べなきゃだよな!ははっ(笑)」

そう言って彼は弁当を食べ始めた。
…よく見たらまつ毛長いんだな、
なんて思い今度は私が彼を見つめていたら、
炭治郎君はニコッと笑ってくれた。

…こんな些細なことも全部、
数日前の私には絶対にありえないことだろう。



炭「(…名前)、部活は何やってるんだ?」

早い。もう食べ終わったのかこの人。

『部活は…入ってない。…あ、アルバイトしてるのっ』

炭「アルバイトか!どこでバイトしてるんだ?」

『…近所の、飲食店で』

炭「そうか!今度行ってみてもいいか?」

『!…それはちょっと!困る…かなっ。
接客やってるところ、見られるの…は、恥ずかしい』

実際、クラスメイトがアルバイト先に来られたら超がつくほどあせるし。

本当はコミュ障改善のために接客業をやってみたが、
それはただ仕事としてお客様相手にマニュアル通り
接することができるようになっただけで、
結局コミュ障は改善されなかったなんて死んでも言えないないな。


炭「そうかぁ…
Aが頑張って仕事しているところ、見てみたかったんだけどな」

なんだその捨てられた子犬のような眼差しは。
口が滑って「前言撤回、来てもいいですよ!」
なんて言ってしまうそうで自分が怖い。
耐えるんだ。

『…』

炭「ははっ(笑)そんなに見られるのが恥ずかしいんだな(笑)
安心しろ。Aが来てほしくないっていうなら絶対に行かないから」

そう言って彼は私に優しい表情を見せる。
またドキッとしてしまった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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なみ(プロフ) - 沙良さん» 読んでいただきありがとうございます! (2020年4月4日 18時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
沙良 - この作品大好きです。後編も頑張って下さい! (2020年3月26日 15時) (レス) id: 00d3994dfc (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - あいすさん» おお!ありがとうございます!がんばります! (2020年3月18日 20時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - 鳴海さん» 後編頑張りますねっ! (2020年3月18日 20時) (レス) id: 1f2780f391 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - この作品大好きです!続編も頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 3a45dfb233 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみ | 作成日時:2019年11月22日 23時

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