よくある神様転生で人生を謳歌する！【ヒロアカ】

ACT16.誰が為に手をのばす？ ページ16

　
街の喧騒は更に激しくなる。

私はヒーローの酷く理不尽な対応に憤りを覚えていた。


何故、ヒーローは動かない？
何故、ヒーローは見ない？
何故、ヒーローは気付かない？
何故、ヒーローは救けない？



何故、ヒーローはその手を掴まない？



勝己はあのヘドロ敵に抗い、踠き、苦しんでいる。


だのに何故、ヒーローは救けないんだ。


私は何度も向かおうとするが、その度にヒーローに腕を掴まれ引き戻される。

「行っては駄目だ！直ぐに有利な"個性"のヒーローが来る！あの子には申し訳ないが、もう少し耐えてもらわなきゃならない」

巫山戯るな！耐えてもらうだと？"個性"、"個性"、"個性"…アンタらが今どれだけ残酷な事を言ってるのか解ってないのか？！

耐えろだって？！

死んだらどう責任を取るつもりだと言うんだ！



何時だって被害者は、今この手を掴んで欲しい(・・・・・・・・・・・)んだ！



「…何の為に、その手があるんだ。

アンタらヒーローのその手は、救けを求めている人たちの手を掴む為にあるんだろうが…!!」

その時、風が吹いた。

隣から、緑色の影が飛び出す。

呆気にとられるヒーローの手を振り切り、私も一緒に走り出す。

「(距離が遠い…！)



クロハぁ!!勝己を助け出せ!!!」

「───了解だ 我が主よ」


空中散歩をしていたカラスが…青年の姿へと変わる。

"クロハ"と呼ばれた青年は、緑谷と共に爆豪の救出を開始した。


さあ、その手を掴み取れ。



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