【ヒロアカ】ウチのヒーローアカデミア！第2章！ (ページ40)

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第58話・目覚めたイッケメンPart２ページ40

部屋に入るなり荼毘の体をペタペタと触り始めた。

荼毘は一瞬硬直したが、怪我の具合を見てるのだろうと思い、されるがままとなる。

「化膿はなし…薬塗ったから治りもいいね…」

すると、部屋の外からドタドタと何やら騒がしく走る音が近くまで聞こえてきた。

「ちょ、A殿！鍋が吹きこぼれますよ！」

「Σあ"！ごめん今行く!!」

騒がしくAは部屋を飛び出していく。

荼毘はポカンとした顔でそれを見送る。

「どうもすみません(汗)騒がしかったですよね(苦笑)」

藍色の髪をした少年が苦笑いしながら変わるように部屋へと入る。

荼毘は少し驚いていた。

その少年の左目の周りに火傷の痕が生々しくあったからだ。

「お初にお目にかかります練白龍と申します」

右手を軽く握り、左の掌にパシッとつけて少し頭を下げて少年はそう名乗った。

「貴方のお名前はなんていうのですか？」

「…荼毘だ」

本名は名乗らずにそう言った。それを知らずに白龍は純粋な笑顔で｢よろしくお願いします荼毘殿｣と嬉しそうに礼を言う。

「…怪我の手当てには感謝する。迷惑をかけたな」

「あ！動いて大丈夫何ですか？！まだ体を休めていた方が…」

「これぐらい大したことない…助かった」

短く礼を言うと白龍の横を通り過ぎ、扉をくぐって階段を下りる。

「白龍ー、ご飯出来…あ！ちょっとちょっと待って！」

先刻"A"と呼ばれた少女がおそらくリビングと思われる部屋から顔を覗かせると、出て行こうとする荼毘の元へと走りよった。

「ケガもう平気なん？お腹減ってない？」

結構グイグイいくA。数時間前までゲンドウポーズをとっていたとは思えない。
平気だと言い出ようとする荼毘を何とか呼び止めリビングからとひとつ円柱型の小瓶のを持ってきた。

瓶は手乗りサイズと小さく、中には赤・青・白の三色の星がいくつか入っていた。

「目に隈があったし、体も軽かったから日頃から食べてないでしょ？あとストレスも溜まってる。
赤は食欲促進、青はストレス緩和、白は睡眠導入！

必要な時に飲んで！水なしで飲めっから！」

はいっ！と勢いよく荼毘に手渡す。

「次はケガしてない時に会えると嬉しいよ」

またね、と声が聞こえたと思うと、突如視界が白く染まる…が、それは一瞬で、気付くとあの路地裏にいた。

「…夢か？」

だがあの小瓶はしっかりと握っている。なので夢ではない。

小瓶の中の星が夕焼けに照らされ、キラリと輝いた。

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