【ヒロアカ】ウチのヒーローアカデミア！第2章！ (ページ3)

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第33話・優しさと痛みと憎悪とページ3

　
　"個性婚" それは第二・第三世代で一時的に問題にされたことである。

個性婚とは、己の強い"個性"をより強化して受け継がせる為だけに優れた配偶者を選び結婚をする…倫理観の欠如した前時代的発想、言わば"政略結婚"だ。
と、轟は自身のことは伏せてウチにそう説明する。

…聞きたいことが何となくわかったな。

「……あー、つまりウチの"個性"も個性婚かってこと？」

「…ああ」

「違うよ(ニコリ)」

「！」

「お母さんお父さんは雄英(ココ)で出会って結婚したんだって」

「親も雄英出身だったのか…！」

驚いた表情で聞いてきた。

「つっても、お母さんはサポート科でお父さんは普通科だったけどね」
お父さん編入狙ってたらしいけど

って、昔言ってた。この話を聞いたのご最近のことみたいに思えるけど、もう随分前のことなんだよなあ。

「確かお父さんがエンデヴァーだったよね……それ聞いてくるってことは、轟は個性婚(それ)なの？」

「……ああ、そうだ」

ギラリ、と目を鋭くさせて虚空を睨んでいる。

きっとその憎悪の眼差しの先に"エンデヴァー"がいるのだろう。

「(…でも、救うのはウチじゃあない)」

ほんの少しだけ、"個性"を使って轟の過去を視た。

思わず目を背けそうになる様な光景が脳裏に映りこんだ。

まだ幼い轟に訓練を強いるエンデヴァー。そして、息子を守ろうと庇う轟冷さん。眠る直前まで泣き続ける轟。壊れていく母親。募る父親への憎悪。

……煮え湯を浴びた夜。
エンデヴァーへの憎悪と怒り、復讐を誓った日。

「俺は氷結(左)だけで一番になって、ヤツを完全否定する」

そのあとは特に会話をすることなく、教室へと戻っていった。

「(アラジンだったら、何て言ったのかな…アリババなら、どんな言葉をかけてくれたのかな…白龍なら、どう向き合うのかな…)」

何となく、前に住んでた世界、"マギ"にいた頃を思い出した。

マギで言えば…今の轟は半分堕転ってとこかな？たぶんだけど。

「(今の轟にゃあ何言っても意味無いけど、優しい思い出…大事な記憶もあることを思い出して欲しいもんだよ…)」

ほとんど真っ黒に塗り潰されてるけど、母親のあの言葉はしっかり残ってるからね。

参加種目が決定し、それに伴う個々の準備…二週間なんて時間はあっという間に過ぎていく。

……二週間後。

雄英体育祭、開幕!!!

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