第十話−秘匿死刑− ページ10
「……は? ねえ、今、なんて言ったの?」
「、!くっ(何だコイツ、さっきまで呪力を…)」
自分でも驚く程低い声が出て、伏黒の胸ぐらを掴むと少し持ち上がった。
そして、何の躊躇もせずに伏黒を殴り飛ばす。
「お、おい 悠歌!やめろって!」
「ゆーじは逃げて、コイツゆーじの事殺すつもりだよ?!」
「俺は何ともねーよ それより、早く病院行こうぜ」
体を取り巻いていた変な黒い模様もスウッと消えていき、ゆーじは兎に角病院に行こうと言う。
でも嫌だ。ゆーじを殺そうとする伏黒と一緒になんて……。
「今どういう状況?」
知らない声が突然背後から聞こえてバッと振り向く。何時の間にか伏黒の隣に人がいた。ゆーじよりも背が高くて髪が白。目には目隠しがしてあって、上下黒色の服を着て紙袋片手に立っていた。
「………不審者(スッ)」
「待った待った 判断的には正しいけど通報待って」
ステイされたので仕方なくスマホを引っ込めた。←
どうやら伏黒の知り合いみたい。この人も特級呪物を探しに来たみたいだ。……観光がてら。
ゆーじはそっと手を上げると「ごめん 俺それ食べちゃった」と白状した。凄く申し訳なさそうな顔をして。
数秒間が空いて目隠しの人が「マジ?」と、思わず聞き返してみると二人とも「マジ」と肯定した。その人はゆーじに近付くと、じっとゆーじを見つめる。
「(あれ見えてんのかな?)」
「ははっ 本当だ混じってるよ」ウケる
混じってる?
言葉の意味的に、多分ゆーじが食べちゃった呪いの事なのだろう。
その人は体に異常がないか尋ね、"スクナ"と変われるかと聞くと、ゆーじは出来ると答えた。
その人は準備運動をしだすと、「10秒経ったら戻っておいで」と、余裕ありげにそう言った。
「ゆーじに何させる気なの?変なことさせるなら私が許さないから」
「大丈夫だよ ちょっと試すだけだからさ。それに僕」
「最強だから」と言い切った直後、再び禍々しい気配になったゆーじが目隠しの人に襲い掛かった。
「あ、これよろしく(ポイッ)」
「え、あ、はい?」
投げ渡された紙袋を見てみると、仙台名物の"喜久水庵 喜久福"と書かれている文字が目に入った。
……この人、人が死にかけてる時に土産買ってから来やがったのか。
.
386人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レキ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!すみません(汗)変換機能の事を忘れてうっかりそのまま書いちゃってました…直しておきます!! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 86fe443189 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 13ページ 悠久の"悠"に"歌"で とありますが、名前変換出来るのに書かれると可笑しな事になりませんか?? この場合どちらかと言うと名前固定した方がしっくりきます。 (2021年2月18日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 畢竟無さん» コメントありがとうございます!あともう少しで続編書けますので!もう暫しお待ち下さい!! (2020年7月15日 13時) (レス) id: 3dee18d2c3 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新楽しみにしてます! (2020年7月15日 12時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - あみみさん» コメントありがとうございます!楽しんでもらえて嬉しいです!!私も姉妹交流会の話が好きなので頑張りますね!! (2020年6月23日 5時) (レス) id: 2b56840397 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レキ | 作成日時:2020年2月20日 6時