とある少女の呪術奇譚【呪術廻戦】

第三十八話−此の世在らざるモノ・其ノ弐− ページ38

　
　
　
テケテケはまだ動かない。こっちの様子を観察してるみたいだ。

私はそっと光君の前へと立ち、テケテケの視界から隠す。


そして呪力で体を覆うのと同時に、テケテケは動き出した。


「行け 光君！！！」

弾かれたようにお互いに走り出して突撃する。

テケテケが突進してきてなんとか受け止める。

「(〜〜〜ッ！！なんつー馬鹿力！！まともに受けてたらホントに真っ二つにされてる！！)」

「ねﾞ、ぇ わだじのぉ、足をﾞ探しでえﾞえﾞえﾞ」

「落とし物センターに連絡すれ、ば！！」

可愛らしい笑顔とは正反対のガラガラのダミ声。

下から呪力のこもった蹴りで天井に叩きつける。テケテケは一瞬動きを止めるけど、またすぐに動き出して私を殺そうとしてくる。

「(拳に呪力をこめて…)」





「悠歌の呪力は遅れてやってくるんだよね」

「遅れる？」

「悠歌の身体能力に呪力が着いてこれてないんだ それが逆に変則的に呪力の流れを作ってる。拳が当たったと認識した直後に呪力がぶつかってくる

つまり、一度の打撃に二度の衝撃(インパクト)が生まれる」





"逕庭拳"！





一撃を顔面に入れて一泊の間が空くと、すぐに二度目衝撃が貫く。けど、決定打にはならなくてほんの少ししか足止めが出来ない。動きは多少遅くはなっているけど、それでもテケテケは襲うのをやめようとしない。

むしろ、さっきよりも怒ってるような気がする。



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