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第三十三話−愛別離苦・其ノ肆− ページ33

 
 
ガラガラ ガコン


自販機から真希先輩ご要望の飲み物を取り出す。

さて戻ろうと思い元来た道を進もうとしたら、伏黒が一歩前に出て立ち止まった。

どうしたのかと思っていたら、知らない人の声が二つ聞こえた。ひとつは女の子の声で、もうひとつは低い声。

伏黒は「禪院先輩」と言うと、女の人は「真希と区別がつかないから真依って呼んで」と、言う。

真希先輩に姉妹がいたことに驚いていると、真依さん(?)は構わずに話を続ける。

「アナタ達が心配で学長に付いて来ちゃった 同級生が死んだんでしょう?辛かった?それともそうでもなかった?」

指先から体温が少しづつ、冷えていくような感覚が襲う。


これ以上、聞きたくないのに、体は磔にされたみたいに動いてくれない。


野薔薇ちゃんが「これ以上聞かなくていいわよ」と言って、そっと耳を塞いでくれた。伏黒も苛立ちの混じった声で「何が言いたいんですか?」と言う。

真依さんは、何の色も優しさもない声音で、私たちに向けて言い放つ。


「───"器"なんて聞こえはいいけど、要は半分呪いの化物でしょ

そんな穢らわしい人外が隣で"呪術師"を名乗って 虫唾が走っていたのよね?

死んでせいせいしたんじゃない?」

「テメェ…!」


息が止まって、体がカタカタと怒りと悲しさで震えた。


何も、知らないクセに…、ゆーじのこと、何も知らないクセに…!



「あ、そういえばソイツに妹がいたんだっけ?

妹も可哀想よね そんな穢らわしい化物が実の兄だなんて。私だったら さっさと死んでもらいたいもの」



瞬間、怒りが内側から溢れて目の前が真っ赤に染まった。

気づけば私は伏黒と野薔薇ちゃんを押し退けて、その人の頬を殴り飛ばしていた。

「何すんのよ、この…!」

「なんで、なんで 顔も何も知らないゆーじに対して、死ねばいいなんて、どうしてそんな酷いことを言えるの…!アンタの方が、人でなしの穢らわしい化物だろ!!」

「「悠歌/虎杖!!」」

さっきまでの浮ついた気持ちは一気に沈んで、ヘドロのようにドロドロとした怒りと悲しさがごちゃまぜになり、たまらずに私はその場から離れてしまった。



.

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レキ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!すみません(汗)変換機能の事を忘れてうっかりそのまま書いちゃってました…直しておきます!! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 86fe443189 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 13ページ 悠久の"悠"に"歌"で とありますが、名前変換出来るのに書かれると可笑しな事になりませんか?? この場合どちらかと言うと名前固定した方がしっくりきます。 (2021年2月18日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 畢竟無さん» コメントありがとうございます!あともう少しで続編書けますので!もう暫しお待ち下さい!! (2020年7月15日 13時) (レス) id: 3dee18d2c3 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新楽しみにしてます! (2020年7月15日 12時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - あみみさん» コメントありがとうございます!楽しんでもらえて嬉しいです!!私も姉妹交流会の話が好きなので頑張りますね!! (2020年6月23日 5時) (レス) id: 2b56840397 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レキ | 作成日時:2020年2月20日 6時

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