第二十六話−呪胎戴天・其ノ肆− ページ26
「った…!」
地面に落下したけど、それほど高くはなかった。
おしりをぶつけて痛いけどすぐに立ち上がって辺りを警戒する。
嫌な気配が肌に伝わって血液と共に流れていく。
瞬間、なんの前触れもなくいきなり体が吹っ飛んで壁に叩き付けられた。
肺の空気が一気に押し出されて意識が飛びかける。
「ッが、あ゙ぁ」
ガンッ!ガンッ!ガンッ!
そのあとも何度も何度も壁や天井、地面へと叩き付けられ頭から血が流れて吐血する。
ケタケタケタケタ
笑い声が真上から聞こえる。
何とかして目を向けると、そこには形容しがたい化け物が一体いた。
私の体よりも大きくてギョロリとした目玉、不釣り合いな細長い手足、口が体の至る所についていて黒いモヤみたいのに覆われている化け物。
ナニカの形になろうとしてるのか、ぐちゃぐちゃとおぞましい音を立てて体の形を変えていく。
「(怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、逃げないと、ゆーじのところにいかないと、ここはどこなの、逃げなきゃ、助けないと)」
人を助けろ
とっさに手に持ったのは五条先生から貰った天沼矛。
構える間もなくまた吹っ飛ばされる。
ケタケタケタケタ
笑い声が目の前で聞こえる。天沼矛を化け物に向けて刺そうとしたけどあっけなく掴まれて手首を反対側に折られた。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!いだい いだいッ!!!」
化け物はもう一度私を地面に叩きつけて放り投げた。
すると、化け物は岡崎正を持ち上げて頭に手を掛けて銅を思い切り引き伸ばす。
ボギャッ
「やめろ゙!!やめろやめろやめろやめろ!!!離せこの野郎!!!」
頭を引き千切り、ぐしゃりと咀嚼する。
胴はボールのようにポンポンと弄ばれて地面にぐちゃりと叩き付ける。
これじゃあ、あの母親に、連れて帰れない!!!
なんとか立ち上がろうとしたけど足に力が入らない。
ズキリと痛みが走って両足を見てみると変な方向に曲がっている。
両腕で地面を這って岡崎正の元へと近付こうとすると、化け物は背中を突き刺してまたケタケタと嗤う。とても楽しそうにケタケタケタケタと嗤う。
少し近づけば足を掴まれて遠ざけられ、また近付けば背中を刺してズルズルと遠ざける。
.
第二十七話−呪胎戴天・其ノ伍−→←第二十五話−呪胎戴天・其ノ参−
386人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レキ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!すみません(汗)変換機能の事を忘れてうっかりそのまま書いちゃってました…直しておきます!! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 86fe443189 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 13ページ 悠久の"悠"に"歌"で とありますが、名前変換出来るのに書かれると可笑しな事になりませんか?? この場合どちらかと言うと名前固定した方がしっくりきます。 (2021年2月18日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 畢竟無さん» コメントありがとうございます!あともう少しで続編書けますので!もう暫しお待ち下さい!! (2020年7月15日 13時) (レス) id: 3dee18d2c3 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新楽しみにしてます! (2020年7月15日 12時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - あみみさん» コメントありがとうございます!楽しんでもらえて嬉しいです!!私も姉妹交流会の話が好きなので頑張りますね!! (2020年6月23日 5時) (レス) id: 2b56840397 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レキ | 作成日時:2020年2月20日 6時