7 ページ8
・
『え、会議?会議って…世界の?』
嫌な事になった。
一昨日のキクとの仕事で疲れて一日中ゴロゴロしていた昨日。そして今日。寝ぼけた頭で朝ごはんのコルネットを齧っていると突然フェリから次回の世界会議に誘われた。思考が追いつかない。
「そう、そう!世界会議!実は昨日ね、小国も世界会議に出していいんじゃないか、って話し合ってたんだけどね、あ、そういえばね、昨日ルートが…__」
フェリの話が脱線し始める。またか、と思いつつも覚めてきた頭で世界会議について考える。
世界会議、私は出たことがなかった。
私はイタリア経済に依存している小国のため、世界会議に居ても何の利益もない。
リヒテンシュタインが出ているのはおそらくスイスがいるからだろう。
本音を言うと各国に出張するのがめんどくさかった。
「あ、ごめん姉ちゃん何の話だっけ。」
『世界会議の話じゃない?』
「あ、そうそう。ごめん。ってことで、来週の月曜日、俺ん家で会議開くからね!
…あっやべっ。俺午後から
と慌ただしく私の家を出ていくフェリ。玄関で「いてっ」やら、悲鳴やら聞こえてくるが大丈夫だろうか。
世界会議、世界会議…と頭の中で反芻する。世界会議にもし出たら寝る自信しかない、と思いながら残りのコルネットを口に入れ、世界会議を回避する言い訳を考え始めた。
・
「____それなら、俺の考えたクールでナイスな案を取り入れるべきじゃないか!?この世界に最も重要なことがこの案に詰まってるしね!」
「どうせ詰まってんのはお前のアホな頭脳だろ。尤も、その案が実るとは当然思えないが。」
…世界会議に来てしまった。
というより、来るべくして来た気がするが。
私が最後に会議に出席したのは恐らくローマ帝国が消えた後の緊急会議の気がする。
会議、というものがあまり思い出せず、ひとまずキクをお手本にさせてもらう。
「ヴェ?このダンボールなんだろう…あっ!こんなところにあったんだ!やべっ配るの忘れてた」
隣にいたフェリが会議の資料だろうか。何らかの紙をドサッと音を立てながら机に置いた。
「ごめん!この資料配ってなかった。今から配ります!」
フェリが席を立ち、中央にあるステージまで行くと、配り始めた。
・
フェリちゃん、ちょっとぐだぐだすぎてお姉ちゃん心配…
2024/01/08
39人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コなポテト | 作成日時:2023年6月11日 22時