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やばい……。
最近イタリアたちと遊びすぎたせいで、仕事の量が半端じゃない。
終わらせるか、と立ち上がった時にインターホンが鳴った。

誰だろう、フェリシアーノはチャイムなんて鳴らさず挨拶しながらノックで来るし、
ロヴィーノは玄関で開けろ、とせがむ。
もしや、と思いドアを開けるとそこには思った通りの人がいた。

「おはようございます。Aさん。本日は仕事の関係でやって参りました。」

私は久しぶりに聞いたかしこまった日本語に驚く。でも私はこの優しい日本語が落ち着く。

『Ciao.キク、よく来たね。大変だったでしょ』
パンナコッタあるからね、あがってよ、と私は手招きをしながら家の奥へと進む。





久しぶりにする仕事は全然手がつかなくて困る。
先日南イタリアの市場で購入したパンナコッタ。そのスプーンを常に持っている時点で仕事は進まない。

『やりたくない…』

机に突っ伏し向かいにいるキクさんにふふふ、と笑われる。
「お疲れでしょうか?」
『いや、ただ単にやる気がない…』

「おや、なるほど。…実は今度フェリシアーノ君の物を集めた展示会が東京で行われますよ。お時間がありましたら気分転換に是非いらしてください。」
『え、めっちゃ行きたい!フェリたちの物好きなんだよね〜。』

わざわざ東京に行ってまでその展示会を見たいか、といえばそうでは無い。ただ、久しぶりに東京に訪れたい。別に私の推しのライブが行われるとかそういうことは無い。断じてない。



『ん、暗くなってきちゃった。』
部屋が暗くなってきて、部屋の電気をつけると、ありがとうございます。とキクに言われる。些細なことでも礼を言ってくれる。やさしい。
「ああ、すいません遅くまで。ではここで私はおいとまします。パンナコッタ、美味しかったです。では、また今度。」
『うん。また今度。Ciao.』

ホテルはどこをとっているのだろう。と考えながら玄関のドアが閉まるのを見届けた。





「A、お疲れ様!」
と後ろから声がかかる。その声の主は

『フェリ。ありがとう。』
「ヴェ〜姉ちゃん俺たち帰ってきても気づかないんだもん。」
今日はイタリアたちも仕事があったらしく、帰るのが遅かったらしい。
でも、私も今日は本当に頑張ったと我ながら思う。

そんな夜は、ワインでも飲みながら、この前借りた映画でも見ようかな。

2023/11/19

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作者名:コなポテト | 作成日時:2023年6月11日 22時

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