君と僕は違う ページ5
泉田とAは中学生になっても
登下校を共にしていた
しかし、毎日という訳ではない。Aは運動神経抜群なわけで、テニス部に入部した。Aが部活をはじめてからは一緒に下校する時間は減ってしまったが、部活がないときは必ずAが泉田のクラスにやってきて迎えに来ていた
その光景にクラスの同級生達が困惑と嫉妬の表情をむけていると泉田は感じていた
理由はハッキリしていた
Aは中学生になってからも好かれているからだ
可愛い容姿に明るい性格ですぐに注目をあびていた
まぁ、幼馴染みの泉田からしてみれば当たり前のことだが
しかし、Aだからという理由だけではない
理由は2つ、1つは男女が一緒にいるだけで‘そういう噂’がたってもおかしくないからということ
そしてもう1つ
それは泉田の存在だ
Aと比べて特に目立つ存在でもない
はっきり言ってしまえば地味だ
勉強ぐらいしか取り柄がない
「彼女とつりあわない」と周囲は思っているのだろう
泉田も中学生になって実感した
「自分とAちゃんは釣り合っていない」と
Aちゃんと釣り合うのは最近ロードバイクを通じて仲良くなった今、まさに隣の席にいるキラキラとしている男
泉田はチラリとその人物に視線をうつす
「あ?泉田、どうした?」
「いや…黒田くん。少し聞きたいことがあって」
黒田雪成
スポーツ万能。色んな部活に助っ人として駆り出されては活躍をしている
オマケに顔もイケメンだ。
彼は泉田と違い人気がある
「どうしたんだよ?もしかしてロードのことか?」
泉田に薦められ、黒田はロードの虜になっていた
ロードの話ができるのかと期待の表情をむける黒田に
泉田は申し訳なく眉をひそめる
「いや、隣のクラスのAちゃんのことなんだけど…」
泉田が黒田にAの名前をだすと
黒田はわかりやすく表情をかえた
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作者名:ちょす。 | 作成日時:2019年11月16日 1時