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Aちゃんが下校したのを確認して
僕は毎日といっていいほど‘あの彼女達’に話しかけた
内容はわかっていると思うがAちゃんのこと
「ねぇ、泉田なんなの?毎日さー…なに?私らがAちゃんのこといじめてるっていいたいの?」
「ヒーローぶってんの?気持ち悪っ」
「別にそうじゃないよ…!ごめんね。しつこくて」
流石にこれ以上は彼女達に突っ込めない
反論したい気持ちを抑えて謝罪し
その場を後にしたのを装い、彼女達が通るであろう
教室に入り、隠れた
廊下の方に耳をむけた
放課後で人も少ない
だから、会話もしっかり聞こえた
「ねぇ、やっぱり泉田にバレてんじゃないの?」
「バレてても相手が泉田だから」
「だねーわかるー」
笑い声が聞こえ、声がどんどん小さくなっていった
彼女達はこの教室通り、何処か行ったのだろう
肩が震え
自然と拳に力が入った
僕はなんて弱いんだ
きっと僕が行動しても何も‘解決しない’
悔しい
何も出来ない自分が憎い
僕は一生懸命考え、‘影響力のある’黒田雪成に
協力してもらうことにした
ユキに協力してもらい、ことは徐々におさまっていった
「やっぱりユキは凄いや。ありがとう」
「んなことねーよ。お前のおかげだろ?」
僕も彼のようになれたらいいのにと
考えているとユキが進路について話してきた
僕もユキも箱根学園を受験し、自転車競技部に入ると決めている
「佐々木も箱学受けるらしーぜ?」
「…!?へぇ…」
ユキの口からAちゃんの名前がでると思わなかった
それに箱根学園…?…動揺した
あんなに遠いのに…彼女になんのメリットがあるのか
「…俺が誘ったら受けるって言ってよ。バカだよなー」
ユキが誘ったのか
確かにユキとAちゃんは最近仲がいい
実は付き合ってるんじゃないかと学年中、噂になっている
付き合っていないのは知っている
…ユキの気持ちを確認したかった
「ねぇ、ユキってAちゃんのこと好きなの?」
「…あ!?…んなわけねーっていいてーけどよ…好きなのかもしんねーな」
苦しい
「…そうなんだ。頑張れ!応援してるよ」
「ん、おぉ、ありがとうよ!」
満面の笑みでわらうユキが眩しすぎた
逃げ出したかった
この時、僕は自分の気持ちに鍵をかけた
彼女に対して、素直になることを辞めた
‘僕はAちゃんのことが嫌いだ’
そう暗示をかけた
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作者名:ちょす。 | 作成日時:2019年11月16日 1時