【泉田塔一郎】分岐点 (ページ2)

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君は僕の気持ちに気づかないページ2

机の中に入ってた封筒には

‘家に帰ってから読んでください’

そう書かれていたにも関わらず、
Aは帰宅途中に歩きながら封を切った
かわいい犬がプリントされた便箋を広げ、
内容をざっとみて確信した。
丁寧に折り畳んで、ポケットにしまう

Aの横には自分より身長が低く
長い睫毛がよく目立つ幼馴染みが
心配した表情でその様子をみていた

『また告白されちゃった』

特に初々しい反応も見せずに
平然としながら告白されたことを伝える

　

「本当にAちゃんはモテるね…」

泉田塔一郎は黒いランドセルの持ち手を強く握りしめた

先に伝えておこう、

泉田塔一郎は佐々木Aが好きである

泉田は幼馴染みの告白されるのを毎回聞いているが
Aが誰かと付き合って自分の元から
離れてしまうんじゃないかと焦っていた

『…塔一郎くん、安心して！私は誰とも付き合ったりしないから！』
　

泉田は自分の気持ちを読まれたのかと思い、激しく動揺し
持っていた鞄の中に入っていた教科書が勢いよく地面に散らばった

『あーあー、何してるの？』

　

「ご、ごめんね…」

Aは泉田が落とした教科書をしゃがんで拾っていく
泉田も急いで自分も拾おうとしたときには
Aが全て拾ってしまっていた

『はい！もー、本当に塔一郎くんはどんくさいんだからー』

スッと立ち上がり
キレイにまとめた教科書を泉田に手渡す

「あ、ありがとう…Aちゃん」

教科書を受けとるときにAの手に触れてしまい
泉田の顔が一気に赤くなった