転生編:吸血鬼の始動 ページ2
《…目が覚めましたか？》
突然後ろから声が聞こえた。突然のことでビクッと反応してしまった俺はばっと後ろを振り返る
するとそこには他の縫いぐるみよりも遥かに大きい…
どうやら俺はこの大きい縫いぐるみの又で
寝ていたらしい
もちろんそんなことをした記憶はないが
キョロキョロと辺りを見回してみても俺に話しかけたような人影は見当たらない。なんだ気のせいか。
《気のせいではありませんよ。》
貴方:へ！？
今度は確実に聞こえた
どうやら声は目の前の縫いぐるみから発せられているようだ
何をバカなと思うがそうとしか考えられない
《ふふ、無事目が覚めたようで何よりです。これで私の役目も終わりました。私の体は残します。良きようにお使いください。"フランドールスカーレット"様。》
貴方:え！？ちょっと待って！話がさっぱり……！！
やり遂げたように満足そうに話す縫いぐるみ
何か一方的に話が進んでいたので弁解しようとすると縫いぐるみがパッと光った
あまりの眩しさに俺は細い両腕で顔を覆う
みるみる縫いぐるみは姿を変え
やがて俺と同じ背丈になった
光が治まったので恐る恐る見てみるとそこに大きな縫いぐるみの姿はなく
代わりに黒色で先端がスペードの形みたいな杖がふよふよと浮いていた
貴方:…………え？
俺が間抜けた声を出すと杖はふわふわとゆっくり俺に近づき、スッと俺の手の中に収まった
貴方:……え〜っと…。
俺が恐る恐る手を放すと杖は落ちることなくその場で浮遊する
まずこの杖はどう見ても「東方Project」の登場人物、フランドールスカーレットが使う杖だ
そして先ほど縫いぐるみが言っていた"フランドール"という恐らくは俺の名前……。察しの悪い俺は今さら気がついた。
貴方:これが…憑依転生ってやつ？
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作者名：駄作者笑 | 作成日時：2018年5月20日 20時
