セカンドラブ (ページ1)

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最後にキスをしたのはいつだろう

大好きだった彼は

ヘビースモーカーで

いつもキスをする度に

タバコの味がした

私はタバコを吸わないので

基本タバコは好きじゃないのに

何故か彼から香るタバコの香りは

惚れた弱味か嫌じゃなかった

私はまだ大学生だけど

社会人の彼と同棲して一年

「ねえ、A。たまにはホテルで食事をしようよ。今週の金曜日いつも綺麗だけどいつも以上にお洒落してきて」

『うん。わかった!』

「じゃあ仕事に行ってくるね」

『行ってらっしゃい。今夜はオッパの好きなキムチチゲ作るね』

「うわっ!Aのキムチチゲ楽しみ!じゃあデザートに[FN:名前]が好きなショートケーキ買ってくるな!」

『オッパ大好き』

「俺は愛してる」

ちゅっ

まさかそれが彼との

最後のキスになるなんて

こんなにあっけなく

オッパが私の前から居なくなるなんて

漫画や小説の中の話だけだと思ってた

親戚1「可哀想に。相手がスマホ見ながらのよそ見運転ですって」

親戚2「あんなに可愛い彼女残してね。それも鞄の、中に婚約指輪が入ってたんですって」

オッパ…婚約指輪って

もしかして金曜日にホテルで

素敵なプロポーズしてくれようとしてたの?

ねえ、オッパ苦しいよ

お葬式から1ヶ月

オッパの居ない世界は無機質で

ねえオッパ

またいつもみたいに

「Aは世界一可愛いって」言って笑ってよ

オッパの低いハスキーボイスな

歌声が聞きたいよ

私こんなにオッパに依存してるのに

オッパが居ない世界で

どうやって生きればいいの?

そうだ。

オッパが好きだった海に行こう

オッパとの思い出と一緒に

そこで私もオッパのいる世界へ行こう

オッパならきっと

「遅かったね。待ってたよA」って

言ってくれるはず

待っててね

オッパ…

今から行くね