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Aを腕に抱いているだけで、
疲れやプレッシャーが全部癒されていく気がする。








.








…ずっとこうしていたい。




彼女を離したくない。

見かけだけの偽りの夫婦なんかじゃなく、
ちゃんと彼女の心も全自分のものにしたい。





そんな思いが溢れて、止まらなくなる。









.









“思っていることがあるなら、言葉で言って欲しい”




あの日彼女にそう言われてから、
俺は今の気持ちをちゃんとAに伝える決心をした。




でも結局、あの時は女将に邪魔されて伝えられずじまい。









.









.









椿「…A、」

「……?」



椿「…この間の、話なんだが。」

「………え…」

椿「…式の準備が進む前に、言っておきたいことがある。」









.







.









「……まっ……、待って…!」

椿「…?」




「…今…じゃなきゃ……、ダメ……?」

椿「…え…、いや…、そういう訳じゃないが…。」








.








腕の中にいるAに、上目遣いで見つめられて、
それだけで心臓がうるさく高鳴る。






.








「…今日は…、ちょっと疲れたから…、また今度がいい。」

椿「…ああ、そうだな。悪かった。」

「…ん…、ごめん…。」








.









小さな声で謝りながら、
きゅ…、っと俺の胸に顔を埋めてくるA。


それは計算なのか?
と聞きたくなるほど、仕草表情全てが愛おしい。









.









椿「…寝るならちゃんと布団で寝ろ。」

「…うん…。」








.









けじめを付けるためにも、
結婚式の前にはきちんと自分の気持ちを彼女に伝えたい。









.









「……おやすみ。」

椿「…ああ。」








.









俺の腕から抜け出して、布団に入っていくA。








.








すぐ近くにあったはずの彼女の熱が
遠ざかっていく感覚を名残惜しいと思いつつも、


布団に入ると、
体が疲れていたことを思い出したかのように
すぐに眠りについた。









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紙兎(プロフ) - みかさん» お久しぶりです!ありがとうございます! (2020年11月4日 0時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
みか - 久しぶりです。めっちゃ楽しい作品になってますね。 (2020年10月31日 11時) (レス) id: de0ef4c44d (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - ぱぴこさん» ぱぴこさん初めまして!とっても嬉しい感想をくださってありがとうございます!面白いと言って頂けると書いていて良かったと思えます!移行してもよろしくお願いいたします´`* (2020年10月31日 11時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - 紙兎さん、はじめまして!いつも見てます!本当に本当にこの作品が大好きで更新を日々待ちわびております笑 紙兎さんみたいな上手で面白い作品が作れるよう頑張っていきます!移行おめでとうございます!これからも応援してます! (2020年10月29日 23時) (レス) id: f7a6ef29b4 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - カリリンさん» そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります(^^) (2020年10月27日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年9月24日 23時

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