world５５ 眠気 ページ9
瑠奈side
灰崎に回し蹴りをお見舞いしようとしたけれど、ユズに邪魔されてしまった。むむむ、手強い……
暫く唸っていたけれども、バスがやってくるとユズとあげはに押されて乗車させられた。
「時々おっかないよね〜」
「そいやオリオンでブチ切れられたな。俺にじゃないけど」
「ご愁傷さま、見てるの結構キツイでしょ」
「うん、滅茶苦茶怖い」
「好き勝手言ってくれるね君達……」
座席は最後尾。右から窓、ボク、あげは、ユズの順番。溜息をついて、窓の外を見る。
「戻ってきちゃったなあ……」
「そっか、瑠奈さんとあ〜ちゃんは戻ってくる形なんだ」
「�爐�手伝い�瓩�始まる〜。嫌だ〜助けて労働基準法〜！」
「法律って割と穴あるよね」
仕事じゃなくて手伝いって形にすれば、幾らでも働ける。いやいや別にあげはだけを働かせているわけじゃなくて、あげはが潜入担当でボクはデータハッキング担当ってだけで。
ちゃんと働いてるんだけどやっぱりお互い見えない所でやってるからね。自分だけが〜ってなっちゃうね。
「偉い偉い、頑張れ〜あげは」
「うぅぅ、姉さんの鬼！」
鬼で結構。ニッコリと笑顔を作れば、二人は凄い勢いで顔をそらした。首もげないのかな。
……まあ、大丈夫か。
宿泊所に着くと、なんだか眠くなって、すぐに眠ってしまった。
なんでだろう、久しぶりに長い時間家族と一緒にいたから、緊張が緩んでいたのかな。
日の高いうちから眠ったのは久しぶりで、薄いブランケットをかけただけでベッドに入った。
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作者名：海道 凛 | 作成日時：2020年2月3日 21時
