７話 悪魔がニタリと笑った気がした。 ページ9
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「…………」
「…………」
吹雪士郎は困っていた。不貞腐れた瑠奈の隣に座らされたからだ。だが彼には聞きたいことがあった。──心愛と、優のことだ。
心愛はエイリア学園の宇宙人、敵として現れた。優を事前に此方に託し、逃した上で、だ。彼女は士郎にとって敵ではなかった。幼少期を共に過ごした彼女とよく似た少女だった。見た目も有り様も様変わりしてしまったが、きっと彼女なのだろう。
それもそうだが、と士郎はかぶりを振った。彼女には、返さなくてはいけないものがある。意を決して、士郎は瑠奈に話しかけた。
「瑠奈ちゃん、はい、これ」
「ん？ ……あ、簪。ゴタゴタしててすっかりリボンに慣れちゃってた。ありがとう」
可笑しい。キャラバンに居た頃、瑠奈は春奈に簪を取られて“大事なものだから”と言って慌てていた。今の様子では、士郎に言われるまでその存在をすっかり忘れていたかのようではないか。
「……瑠奈ちゃん、その簪って、お兄さんの形見なんだよね。最期に貰ったものだって、言ってたよね」
「そうだね」
「僕それをずっと預かってたけど、瑠奈ちゃん、今気にしてなかったよね。大事なものなんだよね。嘘じゃない、よね？」
瑠奈は一瞬キョトリとして、すぐに笑った。士郎は仮面が剥がれた様だと思った。取り繕うような笑顔。すぐに隠された仮面の下は、一体何だったのか。
「“嘘じゃないよ”。これは大事なもの。それは変わらない」
それ“は”変わらない。なら、他の何かが変わったのか。瑠奈は何でもないかのように振る舞う。陽花戸中で、その力はある程度わかっているはずだ。ずっと見ていれば、そのナニカはわかるだろうか。
重い沈黙に耐えきれず、士郎が口を開く。
「ねえねえ、ココちゃんと優くんって、どんな関係なの？」
「心愛と優？」
「お母さん、って呼んでたから。ココちゃんに子供が居たら年齢的に変でしょ？」
「……そーだね。でも士郎なら知ってるんじゃないの？」
「なんで？ 瑠奈ちゃんのほうがずっと──」
「“いつも”ボクより士郎の方が仲良しだったから、今回もそうなのかなって」
背筋が凍る。“いつも”。瑠奈と心愛と士郎が関わるのは、今回が初めてだ。幼少期にあったとしても、“いつも”と言う程多くはない筈。
「──ねえ、瑠奈ちゃん。君の言う“いつも”って、一体“いつの話”？」
少女は何も言わず、只微笑んだ。
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海道凛(プロフ) - 星猫さん» コメントありがとうございます。ですが、此処は作品の感想を頂くための場ですので、詳しいお話はボードにお越しいただいてからでもよろしいでしょうか。 (2021年9月9日 19時) (
レス) id: 63a783c275 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - タブレットで操作しています!一緒に合作しませんか? (2021年9月9日 15時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
海道凛(プロフ) - 星猫さん» はじめまして。よく見ていたアニメはイナズマイレブンシリーズと終わりのセラフです。一時期ちらりと見たアニメなら沢山ありますが、一部しかわからない作品が多いです。あと、此方は作品のコメント欄ですので、感想以外の質問などはボードにいただけると嬉しいです。 (2021年3月28日 19時) (レス) id: 63a783c275 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月27日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海道 凛 | 作成日時：2020年8月7日 18時
