雷門の転校生は天才万能少女 (ページ5)

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４話　眠い！ページ5

翌朝、何時もより寝覚めが悪かった。

原因なんて分かりきっている。昨日の夢だ。

あの子供は誰だったんだろう。知らないのに、何処か懐かしかった。

昔会ったことがあるのかな？

「どうしたの？不安そうだけど」

『なんでもないよ、にーに』

布団のなかに居るにーにに向かって受け答えをする。ちょっと待て。

『って何でお前が此処に居るんじゃぁぁ！！』

「ごめんなさい！！」

とりあえず蹴り飛ばした。酷くはない。だってびっくりしたんだから。うぃーあー思春期！年頃の男女！いや女性として見られるとは言ってないけど！よくない！

「A？どうした……おい、なぜお前が其処に居る？」

玲名様がおかんむりだ。二週間ほどここで暮らしてきてわかったことだけど、此処で一番強いは玲名だ。怒ると鬼形相がついてくるから、怖くて皆逆らわない。

『玲名、程ほどにね？』

ボクは制服を取って玲名の部屋に向かう。だって此処が一番安全だから。

着替えると、学ランの袖が余る。やっぱり無理があったかな……。それじゃ、最初着てたパーカーを半袖ブラウスの上に羽織れば……いい感じかな？

貰ったお古の鞄を開けて学用品を詰めていく。筆箱と……ノートでいいか。面倒になっちゃったし。

そしてボクは雷門中に向かった。

＊☆＊☆＊☆＊☆＊

雷門中前

大きい。凄い。大きさに圧倒されていると、青い竜を纏ったボールが飛んでくる。

すかさず、上下に一回転してオーバーヘッドキックした。ボールは綺麗にキーパー君の元へ。

「ゴッドハン──うわぁぁ！！」

結果、風圧で技を破る。今の状況を一言で言おう！カオス！

サッカー部の人たちに凝視されてるし、明らかに目立ってしまった。そそくさと立ち去ろうとしたけど、水色に捕まった。

振りほどいて全力疾走。なにあれこわい。サッカー部……だよね？え、なにあれ。なにあれ？？

職員室に行って、クラスを聞く。唯々黙っていよう。教室に入ったら、さっきのキーパー君が居た。

なんでコイツが居るの。

コイツだけは居てほしくなかった。ああほら、お目々キラキラさせてこっち見てる。

まだ水色の方がマシだったと思えるよ。

絶対強引なヤツ。それで、強制的になんか起こるやつ。

ああああ、平和なんて知らない、みたいな世界に引きずりこまれる気がする〜。嫌だ〜、平和がいい〜。

現実って、時々無慈悲だよね。

ふふ、まあこの予想が的中してしまったからこそ、ボクは元に戻れたんだけど。