雷門の転校生は天才万能少女 (ページ26)

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２５話　認めたくないのにページ26

鬼道side

堂々と裏切り発言をするA。彼奴を父と慕っているから可哀想だが、影山は悪人だ。それを一向に認めようとしない。

『お父さんは悪い人じゃないもの。だって、ボクを……』

余程ショックだったのかボロボロ泣き出してしまった。お前をどうした。続きが聞こえん。

「お前を責めてるわけじゃないから、泣くな」

慰めの言葉をかけるも意味は無いようだ。より泣き出した。世宇子の視線が痛い。特にキャプテン辺りから。

「A、本当に影山は悪い奴じゃ無いと思うのか？俺達の大好きなサッカーを汚したのに」

『……あの人はこの世の誰よりサッカーを愛してるんだよ。方法を間違えただけで、昔からずっと』

懐かしむような目で遠くを眺めるA。澄みきった金色の瞳の奥に、哀しみと憐れみが映る。

「早くグラウンドに戻るぞ。Aはそのまま見てろ。また倒れられたら困る」

豪炎寺が号令を掛け、ピッチに立つ。Aが珍しく言うことを聞いた。無言の威圧のせいか？

『ごめん木野。肩というか膝貸して』

「？良いけど……きゃっ」

寝た。ダイレクトに寝た。木野が困惑してるからやめてやれ。

『すぅ、すぅ』

「宇生賀谷先輩って、可愛いですよね」

「そうね。性別不詳だし、謎だらけよね」

「今度問い詰めてみましょう。もっと知りたいし」

本人の知らぬ間に話が進んでいく。春奈、そんなに気になるのか。

「マネージャー達って時々恐ろしいな」

「……今更か？」

試合再開

少しずつ世宇子に順応出来てる。アフロディが驚きの声を上げる。

「そんな……僕は確かに神の力を手に入れた筈だ！ゴッドノウズ！！」

「究極奥義に完成無し。正義の鉄拳！」

『これが……伝説の技……！』

いつの間にか体を起こしたAも見ている。

「「ツインブースト！」」

「「炎の風見鶏！」」

息を吐く間も無く必殺技の嵐。今日は大変だ。気付けば彼奴は消えていた。

～＊☆～＊☆～＊☆
何処かの部屋

『影山さん、もうやめて。復讐なんて無意味なんだよ。ボクは貴方が捕まるところなんか見たくない！』

「私はもう後戻り出来ないんだ。すまない」

『輝は？！お父さんが居なくなったら誰が面倒を見るの？！』

少女の悲痛な声が狭い部屋の中に木霊する。

男はその声に少し反応し、答える。

少女は男の手を掴み涙を流した。

『まだ、まだ間に合うよっ！』

少女の手を振り払い男は言った。

「もう無理なんだ」

残された少女は部屋で涙を流した。