１８話 合宿やろうぜ！ ページ19
翌朝は皆ピリピリしてた。あんなの見せられちゃ当然か。
『は？……今何て？』
「合宿やろうぜ！」
何を言い出すかと思えば、そんなことか。
『悪いけどパs「出ますよね？」出ないよ？』
「ええ？！」
「頼むっ！家事出来る奴全然いないんだ！俺と豪炎寺だけじゃ詰む」
『マネージャー陣が居るでしょ。別にボクに頼まなくたって良いよね？』
「試合で貢献して無い分これで貢献しろ」
『……ハイ』
それを言われると何も言えない。こうしてボクはリスクを背負ったまま、合宿に参加することになった。パワハラだよね？！
☆＊☆＊☆＊
夜
『やー、戻ってきたゾー』
荷物をもって体育館に飛び込む。靴は速業で揃えた。
布団にダイブ。いつもはベッドだから逆に新鮮だ。あ、掛け布団ふわふわー。
「さぁ、地獄の調理タイムだ。安らいでる最中に悪いな」
凄く、良い笑顔で、そんなことを言われた。絶対悪いなんて思ってないでしょ。
☆＊☆＊☆＊
「いったぁ！指切っちゃった」
案の定、円堂の不器用が発動した。前にに入り込んで手を添える。仕方ないでしょボクちっちゃいんだから！発育悪いの！
『皮剥くときには野菜回すの！ホラまた指切るよ』
一緒にやってるとなんか変な目で見られた。響木さんは女子の目塞いでるし。
「配当分終わった！ありがとA痛っ」
『わっ急に振り向かないで』
ぶつかったおでこを擦っていると、右目が見えそうになった。
「！それは？」
鬼道に見られたらしい。どうしよう。やだ。怖い恐いコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ。
『……』
ガタガタと体が震えている。異常に寒い。なんで？さっきまでは何ともなかったのに。力が入らない。ダメだ、飛ぶ。
その後の記憶はない。
鬼道side
円堂と衝突し額を擦っているAの姿を見ていると、左目とは打って変わって深い紫紺の瞳が見えた。
「それは？」
好奇心に勝てず、訪ねてしまった。その後様子が可笑しくなり、終いには倒れた。
「？？？」
突如真横で崩れ落ちたAに驚きを隠せない円堂。泣きそうになっている。
「鬼道、お前何を見た？」
「それと、どんな関係が？」
「いいから答えろ」
厳しい眼差しでこちらを見ている響木監督。
「右目、です。教えてください。彼奴の過去を！」
監督の答えはとても簡潔で単純だった。
「彼奴の過去を教えてくれ、か。良いだろう。俺の知っていることは全く無い。此奴の事は完全に謎だ」
……は？
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作者名：海道 凛 | 作成日時：2018年10月17日 21時
