36 決断 ページ37
流れ込んでいくようなドロドロしたマイナスの感情が身体を蝕んで押し寄せてこようとする。それに呑まれて、ついネガティブになってしまいそうな自分がいる中で、タイミングよく、私に手を差し伸べてくれるような連絡が1つ来た。
……竜胆さんからだ。蘭さんが竜胆さんに話をしたのか『妊娠してんだって?大丈夫か?』とメッセージが1件入っている。
春くん以外の人と出来るだけ連絡を取らないようにしていたが、もう見限られてしまったし、自然消滅も同然だから、私が誰と連絡を取ろうが自由だ。
竜胆さんに返信をすると、すぐにまた彼から返信が来た。常に携帯を持っているのか、それともたまたまなのかはわからない。
それでも、誰の事を頼っていいのか分からない私にとっては、少しだけ安堵出来る逃げ場みたいなものに感じられた。
「……三途とちゃんと話しなくていいのかよ。」
数時間後、何時しか2人で話したカフェに入り、彼との話をしている最中。話した方が良いとは分かっているけれど、それでも……はっきりと正面から『Aとの子どもなんていらねえ』と言われてしまう事を恐れている。
「きっともう……春くんは私と終わりたいと思ってる。」
泣きたいのに、泣く事が出来ない。やっぱり私は……春くんの前じゃないと、素直に感情を出せないみたいだ。
「それで、お腹の中のガキはどうするんだよ。」
竜胆さんの言葉に、迷いが生まれる。私は、産んで育てていきたい。そう、強く願っているけれど……私以外の大人から望まれていなかった命だと物心がついた時に知ってしまったら傷ついてしまうのは、子どもだ。
私の判断とエゴで産んでしまってもいいのだろうか。大きくなって、私じゃなくて子どもが傷つくことになってしまうと思ったら……。
産まない方がいい。
気持ちや思いが芽生える前に、宿った命を摘み取ってあげた方が、お腹の中にいる子どもの為になるのだろう。
もう、決断を下した方がいい。
「……堕ろす。」
「三途に言わなくていいのかよ。」
この子を堕ろしたら……2度と子ども産むと決心はしない。何度も望まれてもいない子どもの命を摘み取るなんて、私には耐えられない。
それに、春くんとの子どもだから産みたいと思った。でも、世の中は非情だから……現実と向き合ってどうするのか選択をしていかなければならない。
「……いいの。私以外から望まれてないのに、産んだらお腹の中に居る子が、可哀想だから。」
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時