帰宅したら家が燃えておりまして。【三途春千夜】

09　未読無視 ページ10

折角だし、ストレス解消に1人で買い物でも行こうかな……。昨日の買い物は三途さんと一緒に、というか……見張られてて最低限必要なものしか買ってないし、じっくり見たいものを見に行こう。

そうと決まれば、早速メイクして出かける準備しよ。某動画サイトを開いてお気に入りの動画を観ようとスマホを開いてみると着信が1件入っている。

……私に連絡をくれる人は大体連絡アプリでの通話が多いから私の携帯番号に電話をかけてくれる人なんて限られてくる。連絡先をタップして見てみると、着信主は『春千夜様♡』と名前が表示されていた。

スマホのパスを開いた際に勝手に登録したって事かな。私に逃げられないようにするためとはいえ……登録する名前をもっとどうにかならなかったのか。勝手にスマホを触られた事もあり少し腹が立った私は『三途春千夜』に名前変更をした。

溜まりに溜まってた連絡アプリを開くと1番上に来ているトーク欄に三途さんらしきアカウントを発見した。画面を長押しして既読をつけずにトーク欄を見てみる。

春千夜様♡これで完全に逃げらんねぇな♡

これに対して私は見なかった事にしようと未読無視をする事にした。そして記憶から抹消しようとトーク欄を非表示にする。

ブロックした所で私がスマホを手放している隙に勝手にブロック解除する事が予想されたから、ブロックはやめておく。溜息を零し、スワイプしてアプリを閉じた。

さっさと出かける支度しよ。何かを諦めるようにコスメボックスを開いて、使うものを出して、メイクを施していく。


三途side
「まだ花垣武道は見つからねぇのかよ。」

幹部共がイライラとし始めているせいで張り詰めた空気が漂い、徐々に周りもピリピリとしていく。こんな時に首領は何処をほっつき歩いているんだか。

怯えて震えている雑魚共は放置で良しとして……イライラしている奴等の矛先をどこへ向けるのかが、重要だ。

でも確かに……花垣武道は何処で身を潜めているのか。誰かに匿ってもらっているのか？それとも遠くへ逃亡中なのだろうか？

ああ、考える事が多すぎてイライラしてくる。

「とりあえず引き続き花垣武道を探せ。イライラしててもしょうがねぇだろ。」

舌打ちをする幹部の奴等が何処かへ行ってしまう。恐らく花垣武道の情報を掴むためにどこかしらへ足を運ぶつもりだろう。

俺も動くか。……ふと、あのバカ女の顔を思い出す。驚いた間抜け面を思い出せば、無意識に笑みを零していた。

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