反社のお兄さんに拾われました【灰谷蘭】 (ページ10)

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＃１０ページ10

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『お兄さんたち誰？

何で私を助けてくれたの？』

「あー、そういや名前言ってなかったな」

竜胆「オイ、そこ大事だろ」

「俺、灰谷蘭」

『･･･灰谷、蘭さん･･･』

蘭「･･･蘭ちゃんがいい。さんって付けんな」

『えっ･･･ら、蘭ちゃん』

蘭「ん。

で、コイツは弟の竜胆」

竜胆「ちゃんもさんもいらない」

『へっ、兄弟？』

よく見たら髪色同じだし目元もそっくりで

首元にある刺青も一緒だ。

灰谷蘭と、竜胆･･･

花の、綺麗な名前。

『お兄さんたちは、あっち系の人？』

蘭「･･･そ。反社の人間」

蘭ちゃんは一瞬黙ったけど片方の腕で頬杖を突いて、

もう片方の腕を伸ばして私の頭をわしゃわしゃしながら艶のある声でそう言った。

蘭「ニュースとかで聞いたことねぇ？

〝梵天〟って犯罪組織」

〝梵天〟聞いたことある。

日本最大の犯罪組織で、賭博、詐欺、売春、殺人

どんな犯罪も裏には梵天がいるって。

この兄弟はその梵天の幹部らしい。

･･･いや、やばいじゃん。

私、とんでもない人たちの家にいるじゃん。

絶対生きて帰れないよ？

売り飛ばされたりしちゃうのかな･･･

いや、でも関係ない。

私を助けてくれた人がどんな人でも感謝の気持ちに変わりはない。

『助けてくれてありがとう』

竜胆「お前、梵天って聞いて怖くねぇの？」

『うん、どんな人でも助けてくれたのには変わりないよ』

竜胆「そ」

蘭「安心しろ、売り飛ばしたりしねぇから」

『･･･え？』

「なに？売り飛ばされてぇの？」と言う蘭ちゃんの冗談でも聞きたくない問いに

全力で首を振る私。もちろん横に。

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