甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ10)

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＃10 ページ10

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『ふ、じわらくん･･･？』

藤原「もう俺限界」

『へ･･･？』

何かを堪えるような低い声。

耳元で聞こえた苦しそうな声に耳を傾ける。

限界ってなにが限界なの？

･･･分かんないよ。

『それじゃ分かんないよ･･･』

藤原「･･･Aちゃん」

『うん？』

藤原「俺と付き合って」

『え･･･？』

唐突な言葉に、私はびっくりして身体を離した。

まじまじと藤原くんを見る。

噓なんじゃないかって。

聞き間違いなんじゃないかって。

それくらい私には信じられない言葉だった。

でも、違った。

藤原「Aちゃんが好き。

俺と付き合って」

『ほん、とうに･･･？』

藤原「嘘でこんなこと言うと思う？」

『･･･私馬鹿だから信じちゃうよ？』

藤原「いいよ。

俺のこと、信じてよ」

と、微笑む藤原くん。

どうしよう、とんでもなく嬉しい･･･

嬉しくて涙が･･･

『藤原くん･･･っ、』

藤原くんの背中に手をまわしてギュツと抱きしめる。

自分でも大胆なことをしてると思う。

でも、今はそんなこと考えてる余裕はなくて。

『私も、好き･･･っ』

すんなりと出た言葉。

私、藤原くんのことが好きなんだ。

自分の気持ちに気づいてびっくりした。

ちゃんと言えたよ。

これが両想いのぬくもりなんだね。

藤原「･･･それほんと？

Aちゃん、俺のこと好きなの？」

あぅ･･･改めて聞かないでよっ。

私はコクリと頷いて俯いた。

恥ずかしくてまともに顔が見れない･･･

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