甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ8)

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＃08 ページ8

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『つらっ･･･』

浦川「ん？何か言ったかふぃじわらいつき」

『別に』

だからふぃじわらいつきって誰だよ･･･

毎日会いに行って、俺なりに愛情表現してんのに。

こんな好きなのに。

誰にもあげたくなんかないのに、気持ちが届かない。

何で？

まだ足りないってやつ？

浦川「あー、Aちゃんに取り合ってもらえないから機嫌悪いんだ？」

『･･･違ぇから』

翔平にからかわれんのすっげー嫌だけど、仕方ない。

ちょっと当たってるからな･･･

悔しいから黙っとこ。

自分でもこんな気持ちは初めてだ。

なんでこんなにAちゃんに執着するかも分からない。

でもあるときから、俺はAちゃんに夢中になった。

浦川「なぁ樹。

いつまでもウカウカしてられねーじゃん？」

『なにが』

浦川「またAちゃん呼び出されたって」

『はぁ？』

間抜けな声を出してしまった俺。

いつの間に！？

さっき止められなかったけど次こそは･･･

つーか今月で何回目だよ？

ほんっと、Aちゃんのモテっぷりには手をやいてる。

一体どれだけ俺をヒヤヒヤさせたら気が済むの、あのお姫様。

もう天然越える小悪魔。

『Aちゃんどこ？』

浦川「さぁ」

『おい、言い出したのお前だろ』

浦川「あ、でもサッカー部のキャプテンに呼ばれてた」

って、誰だっけ。

いまいちピンとこない。

俺、Aちゃんしか覚えない主義だし。

『行ってくる』

浦川「おう！頑張ってこーい！」

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