甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ7)

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＃07 ページ7

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藤原side

浦川「おーい、ふぃじわらいつきー」

「ハァ」と一仕事を終えて溜息をつきながら教室に戻ると

満面の笑みで俺を見る男が1人。

誰だよ、ふぃじわらいつきって。

浦川翔平(うらかわしょうへい)

『なに』

浦川「今日もAちゃん追いかけてんだってー？

よくもまぁ毎日毎日」

クラスメイトに囲まれながらそう言う。

なんでそれを今言うんだよ！

へらへらと笑う顔と声が鼻につく。

金髪のサルみたいな翔平は

クラスのムードメーカーで俺の幼馴染。

『･･･気安くAちゃんって呼ぶなよ』

クラスメイトから興味津々の視線を避けるように自分の席に着く。

周りの奴らは珍しそうに俺を見る。

俺が1人の女の子に入れ込んでるとかで･･･

浦川「なんだよ彼氏面か？

彼氏でもないくせにー」

翔平の言葉に周りがドッと笑った。

『うるせぇわ』

一番つかれたくないことをよくも悪気もなく簡単に。

コイツの悪いとこは、純粋に鈍感だってこと。

今日何度目か分からない溜息をついて頬杖をついた。

「樹くん、取り合ってもらえないなら

私達が相手になるよー？♡」

「私達、樹くんのこと好きだし♡」

そんなうるさい女達の声なんてシャットアウトして。

考えるのはAちゃんのこと。

残念なことにAちゃんとは隣のクラス。

いつも一緒にいたくてもいられないのが現状。

･･･俺は本気でAちゃんが好きだ。

でも当の本人は少しも、いや全然俺の気持ちには気づいてくれなくて。

からかわれてると思ってる？

だから本気にされねぇの？

俺がモテるしチャラいから？

それならAちゃんも同じ。

無自覚なお姫様だから俺は毎日ヒヤヒヤしてる。

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