甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ6)

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＃06 ページ6

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藤井「Aーっ、」

自分の教室に戻ってくるなり、私を呼んで抱きついてきた女の子。

『萩！』

藤井「もうどこ行ってたのー」

茶髪のショートヘア、整った顔。

長身でスラッと伸びた脚。

スタイル抜群で、超絶美人。

藤井萩花(ふじいしゅうか)

萩とは中学校からの仲で、私の親友。

『ごめん、ちょっと人に呼ばれてて』

藤井「また告白？

可愛いAが誰かに盗られないか心配だわ」

『可愛くないけど』

藤井「ほんっと無自覚。

･･･って、また藤原？」

眉をひそめる萩の視線の先には私を送ってくれた藤原くん。

藤原「なんだよ藤井。

俺にはいつも冷たいね」

藤井「だってAに近づくから。

あたしのAなのに」

藤原「は？んなの俺が認めねぇよ」

藤井「認めてもらわなくて結構。

Aとの出会いはあたしのが先だから」

藤原「関係ない」

私を挟んで睨み合う2人。

火花が散って見えるんだけど･･･

「白雪！」

『え、はいっ･･･』

声がする方を見ると、黒髪の真面目そうな男の子が私を見ていた。

「ちょっと話があるんだけど」

『あ、今行くね』

藤井「また告白？

どんだけモテんの、あんた」

萩も1日3回ペースで告白受けてるくせに･･･

私知ってるんだからね！

藤原「･･･」

今回は真面目で優しそうな人だし

1人で大丈夫そう。

藤原「Aちゃん！」

男の子の前まで来た私を焦ったような藤原くんの声が呼び止めた。

『･･･なに？』

振り向くと困った顔の藤原くん。

･･･なんで、そんな顔してるの？

藤原「いや、何でもない」

それだけ言って藤原くんは私から視線を逸らした。

どうしたんだろう。

藤原くんの考えが全く読めないよ。

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