甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ5)

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＃05 ページ5

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藤原「あいつになにされた？」

真っ直ぐな瞳に見つめられて、何も考えられなくなった頭を必死に動かして言葉を紡ぐ。

「なにされた」ってどういう意味？

でも聞けない。

何か言わなきゃ･･･

『え、っと･･･あ、ボタン外された･･･かな』

いきなり抵抗する暇もなく外されたボタン。

あ、それじゃ今下着が丸見え･･･

とめようとした私の代わりに

藤原くんがシャツのボタンを優しくとめてくれた。

『･･･あの、藤原くん？』

藤原「ボタン･･･くそ、あいつ･･･」

『私何もされてないから大丈夫だよ？

だから･･･』

そんな、顔を歪めて悔しそうな顔しないでよ･･･

藤原「俺が大丈夫じゃない」

『っ･･･！』

ちょっと強引に腕を引かれて、気づいたら甘い香りに包まれていた。

そしてすぐに抱きしめられているんだって分かった。

藤原「･･･心配させんなよ、馬鹿」

ハァーと長いため息と、耳元で甘い囁き。

･･･甘い？っていうか、

『ば、ば、馬鹿！？』

藤原「馬鹿でしょ。

こんなとこに呼ばれたからってヒョイヒョイ来るとか」

『･･････』

それを言われたら何も言えない。

軽率でした･･･

反省してます。

萩について来てもらうか、もう行かないって決めた。

もう怖い思いしたくないし･･･

藤原「ちょっとは危機感もって、頼むから」

大きな手のひらが私の頭を撫でた。

手のひらの隙間から、藤原くんの切なそうな顔が見えた。

どうしてそんな顔するの･･･

私には分かんないよ、藤原くん

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