甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ14)

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＃14 ページ14

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う゛う、痛い。

学校について、廊下を歩く私と樹くんをみんな見てる。

周囲を見ても女の子達から睨まれる私。

教室までの道のりが長い。

視線が痛いよ～。

樹くんは平然としてるけど、私は耐えられそうになくて。

よし、こうなったら･･･

『い、樹くん』

藤原「なに？」

『私、お手洗い行ってから教室行くね！』

藤原「え？あぁ、じゃあ待って･･･」

『だ、大丈夫！じゃあまた休み時間にっ』

藤原「あ、おいっ･･･」

最後まで聞かずに樹くんから離れてダッシュ。

ごめんね樹くん。

視線を集めることには慣れてない私には

刺激が強かったみたい。

『･･･ふー･･･』

なんとか逃げ込んだトイレの鏡の前で息をついた。

深呼吸をして、乱れた肩まであるミルクティー色のウェーブ髪を整える。

もうきっと全校生徒があの新聞を読んで

私達の仲を知ってるはず。

何を言われるか分かんない。

でも今さら逃げ隠れなんて出来ないし、する必要なんかない。

だって私、樹くんのかっ、彼女だもん。

って、何度も自分に言い聞かせても結局不安だらけ。

樹くんはみんなの人気者で、

私が隣にいるのは身分違いなんじゃないかって思ってしまう。

全然自信ないよ･･･

樹くんの彼女になれたことはすごく嬉しい。

でも、たくさん可愛い子や綺麗な子がいるのに

どうして樹くんはその中から私を選んでくれたの？

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