甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ12)

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＃12 ページ12

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次の日の朝、幸せの絶頂にいたはずの私に事件が起きました。

「号外号外！！！」

男の子の声とともにカラフルな紙が宙を舞う。

うちの学校にはこの辺じゃ有名な新聞部がある。

オタク系の男の子が行き交う生徒達に慌ただしく何やら紙をばらまいている様子。

ピラッ.......

歩いていたらその一枚が私の前に降ってきて。

その紙を覗き込んで目を見開いた。

･･････え？

そこには______

【カップル成立！？♡

みんなの王子様2-A藤原樹のお相手は

モテお姫様2-B白雪A！！！】

渡り廊下での私達のキス写真と共にそう書かれていた。

え、なんで！？

なにこれいつの間に！？

しかもキス写真って･･･

思い出すだけで顔が赤くなった。

そうだ、私、樹くんキスされたんだ･･･

って、ハッ！！

その記事から顔を上げると周りの人達からの視線が集まっていた。

あ、だから･･･

鈍感な私も気づいてしまった。

だから、さっきからみんなの視線が痛かったんだ。

好意的な男の子達の視線。

睨みつける女の子達の視線。

え、これってもう学校中に知れ渡ってる？

藤原「Aちゃん」

1人青くなる私の肩に乗る手にビクッと震えた。

藤原「･･･え、どした？」

『･･･樹くん･･･』

振り返ると何も知らないらしい樹くんが私に微笑みかけてくれていた。

あ、今日は前髪パーマっぽくおろしてるんだ･･･

似合う。かっこいい。

･･･じゃなくて！

『樹くん、これ･･･』

藤原「ん？なに？」

新聞を樹くんに渡す。

私が差し出した記事を見て、樹くんは「へぇ」と感心した声をあげた。

なんかすっごい嬉しそうで･･･

『樹くん？ちゃんと見た？』

藤原「うん。いいじゃん、これ」

『え！？みんなにこの写真見られちゃったんだよ！？』

よりによってキス写真！！

恥ずかしくて学校行けない！

藤原「見せつけとけばいいじゃん」

『樹くん何言って･･･』

肩に手をかけられたかと思ったら

ちゅっと軽いリップ音。

何が起きたのか分からず、目をぱちぱちさせる私。

え、い、今のって･･･

『き、キス！？』

びっくりして大きな声を出した。

噓でしょ、みんなの前で堂々と！？

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