甘いお気に入り【藤原樹】 (ページ1)

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＃01 ページ1

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「ねぇ、白雪Aちゃん」

使われてない空き教室で

目の前の茶髪の男の子が私を呼んだ。

『え、な、なに･･･？』

フルネームで名前を呼ばれて、ジリジリと距離を詰められた私は

驚いて後退り。

気づけばトン、と壁に背中があたった。

男の子と壁の間に、私。

･･･もしかしてピンチ？

今まで呼び出されたことはあったけど、こんなピンチな状況はなくて

普通に告白されるだけだった。

いつもと違う状況に私の頭はもう爆発寸前。

ここは普段使う教室から離れてる場所だから

人は多分来ない。

叫んで助けてを呼ぶ？

それともグーパンチを男の子にお見舞いする？

いろんなことを考えていたら、笑い声とともに男の子が口を開いた。

「呼ばれてここに来たってことは

その気があるってことだよね？」

『･･･その気･･･？』

その気って、どの気？

よく分からなくて首を傾げた。

だって私がここに来たのは

朝、下駄箱に入ってた手紙に

〝話したいことがあります。
放課後、特別棟の空き教室に来てください〟

って、書いてあったからで。

『で、話ってなにかな？』

「･･･は？」

『私に話があるんでしょ？

だから来たんだけど･･･』

「なに言ってんの？」

『え？何って、手紙で･･･』

「男がそんな理由でこんなとこに女呼ぶわけないじゃん」

えっ？どういう意味？

全然分からないんだけど･･･

私が何も言わないでいると、男の子が私の手首を掴んだ。

『っ･･･！？』

男の力に勝てるわけもなく抵抗できないまま

私の両手は男の子の片手に収められてしまった。

『えっ、ねぇ、なにっ･･･！？』

「なにって、女と男がすることなんて一つしかねぇじゃん」

『え･･････』

固まった私のシャツのボタンに手をかけた。

『っ･･･！？』

第二まで乱暴に外されたボタン。

待って、これじゃ下着が見えちゃう･･･

『ねぇ、っやめてよ･･･』

私の声なんてまるで聞こえてないみたいで

男の子は手の動きを止める気配はない。

もしかして、私この人に変なことされるの？

気づけば身体の力が抜けて、手を掴まれたままその場にしゃがみ込む。

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