HiGH&LOW〜俺たちが守る〜３

１１５〜スモーキー〜 ページ45

この街で会う久しぶりの顔に、薄く笑みを浮かべ近付く。


スモーキー 「よぉ、ヤマト」


ヤマト 「久しぶりだな」


ふと辺りを見回す。


おかしい…


スモーキー 「…一人か？」


ヤマト 「だったらなんだよ」


スモーキー 「いや…」


見間違うはずがない


どこに隠れた？


シオン 「無名街に引っ越しか？歓迎するぞ」


真剣な顔のヤマトに、わざとらしく声を掛けるシオン。


ヤマト 「探してる奴がいる 。チハルって男だ」


チハル？


ピー 「知らねーな。」


ヤマト 「この街で仕事してるって聞いたぞ。」


“仕事”だ？
ますます知らねぇ、そんな男。


スモーキー 「ここに住んでる奴らはみんな家族だ。潜りがいれば、すぐ俺の耳に入る」


ヤマト 「レッドラムの件もか？」


タケシ「レッドラム…」


ヤマト 「ここでお前らが作ってるドラッグだよ」


ふざけるな…


スモーキー 「俺たちは何があってもドラッグにだけは手を染めない」


ヤマトをきつく睨む俺の肩に、シオンの手が置かれる。


シオン 「おい、スモーキー… 山王は最近、鬼邪高やラスカルズと揉めてる。

そうか！有りもしねぇ因縁 付けて、次は俺らに手ぇ出すわけか！」


ヤマト 「んなわけねーだろ。だったら、てめぇの妹連れて来い」


俺に向かって言う“妹”…


スモーキー 「ララ？」


なんでアイツの名前が、その口から出てくる…


ヤマト 「いいから早く連れて来い。」


スモーキー 「家族に手ぇ出すなら容赦しねぇぞ」



俺とヤマト



お互いに目を逸らさず対峙する中



目に入った捜し物



スモーキー 「っ、」



ヤマトの肩越しに



フードを被った一人の女



─── 見つけた



「ヤマト！」





─── やっぱりお前は



─── 蝕む病よりも熱く



─── この体を疼かせる。

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