HiGH&LOW〜俺たちが守る〜３

１０４〜ヤマト〜 ページ33

テッツに連れて来られたのは、尾沢がダンを見たって場所だった。


尾沢が言うには、ダンがラスカルズに追われてヤバイ雰囲気だったらしい。


なぁチハル…


このSDカードは一体何なんだ？


テッツをその場に残し、一人で乗り込んだ白の城。


SDカードをラスカルズの奴らへ渡して…


ヤマト 「馴染みの店めちゃくちゃにしやがって、そんだけの価値がソイツにあんのか？」


KOO 「さぁ？私たちはお客様に安全な“場所”を提供してるだけ。
それぞれの取り引き内容にはノータッチです。」


ヤマト 「ふざけんじゃねぇぞ」


ロッキー 「こっちも聞きたい事が山ほどある。」



そう口火を切ったロッキーが、連ねる問い掛け。


ダンと一緒にいたのは、RUDEのリーダーであるスモーキーの妹だって事。


なぜダンが、RUDEの取り引きに関わってるのか…


そして、それをなんで山王の俺が返しに来たのか。


こっちだって、分かんねぇ事ばっかだっつぅの！


ただ…


ヤマト 「一つだけ言えるのは、山王は何の関わりもねぇって事だ。」


ゆらり…立ち上がるロッキーを目で追ってると


ガシッ！


いきなり振り下ろされた杖。


ギリッ…


掌で受け止めたそれを握り締める。


ヤマト 「だから俺たちはやってねぇっつってんだろ。山王には手ぇ出すな」


バッと杖をどけたロッキー。


ロッキー 「まぁいいだろう。幸い、コレが見つかった事だ。」


そう言うと、打って変わって、握手を求めてきやがった。


ヤマト 「っざけんな…てめぇの腹ん中が見えねぇ」


手を取らねぇ俺に、ニイッと不気味な笑みを浮かべ


ロッキー 「お前には永遠に見えねぇよ」


ドカッとソファーにふんぞり返ったソイツに、睨みを利かせる。


ロッキー 「おい」


ふいに掛けられた声。


ロッキー 「あの女に、悪かったって伝えろ」


ヤマト 「あの女？」


KOO 「“Aさん”…でしたっけ？」




━━ 出て行った小さな背中



━━ 遠ざかるエンジン音



━━ 傷を負ったアイツの愛車





ロッキーに近寄ろうとする俺を止めるKOO。

その胸を押し退けて言い放つ…




ヤマト 「てめぇで謝れ」

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