第一印象は大切 ページ10
キーンコーンカーンコーン
遠くで鐘の音が聞こえる。
いけない、遅刻する。早く教室に行かないと。
そう思ったAは、くるり、と後ろを向いたが、そこで足が止まる。
教室の場所が分からない。
焦る気持ちを抑えながら、しばらく考えて気づく。
(そうだ。私は転入生だ。今日は初日だから先に職員室に行かなきゃいけないんだった)
Aは昨日読んだ転入手続きの書類にそう書いてあったことを思い出し、体育館へ来る途中で通った職員室へ向かって歩き始めた。
コンコン
「はーい。……ん?あなた、転入生かしら?」
Aが職員室のドアをノックすると、三十代半ばの女の先生が出てくる。
誰かに会った時の第一印象というのはとても大切だ。
Aは少しでも好印象を与えるために微笑んだ。
「はい、今日からこの学校に転入する氷室Aです。」
「すると、あなたも鬼殺隊、よね?」
いぶかしげに、恐る恐る訪ねてくる先生に、肯定の笑みを返す。
「はい。鬼殺隊氷柱、氷室Aと申します。あの、三年に転入する胡蝶しのぶからすでに話は聞いていますよね?」
鬼殺隊は秘密組織だが、まったく秘密と言うわけではない。
例外もある。
被害者やその家族には詳しいことを話すし、今回の任務もしかり。
今回の任務では、稀血本人、その周りの人たち、先生たちには話してもよいとお館様が許可をだされた。
それを受け、先生たちにはすぐ話し協力してもらうほうが良いということで、転校初日で話すこととなった。
稀血やその周りの人達に話すと彼らの学校生活に支障が出る恐れがあるので、彼らにはぎりぎりまで話さないことになっている。
「えぇ、聞いたわ。鬼殺隊のことや、稀血のこととかね。
それにしても驚いたわ。鬼殺隊だなんて生まれて初めて聞いたもの」
「鬼殺隊は政府非公認の組織ですから。
もし鬼の存在が一般人に広まってしまったら、その人たちは普通の暮らしを送れなくなってしまう。そんなことがあってはいけません。
……ですから先生も、生徒達には
Aは、言ったら生徒達がこうなるぞ、と遠まわしに伝えて釘を刺す。
うっかり喋られたりしたら困るのだ。
「……えぇ、絶対に言わないわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
碧月(プロフ) - ものすごく、ですと……!?ありがとうございます!!頑張って更新していきますのでよろしくお願いします!! (2022年10月17日 1時) (
レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 - 碧月さん» ものすごく面白かったです。更新するのを待っています! (2022年10月15日 20時) (レス) @page21 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 椿さん» 返信遅くなってすみません!! 面白いと言ってもらえるととても嬉しいです!! 更新遅くて申し訳ないです……できる限り早く更新していきたいと思っています。気長に待っていただけたらありがたいです。 (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 和南さん» 返信遅くなってすみません!! ご指摘ありがとうございます。よりにもよってキャラの名前を間違えてしまうとは……申し訳ないです。誤字脱字が無いよう頑張っていきますが、もし見つけたら報告してくださると嬉しいです! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - とても面白いです！更新頑張ってください！応援します！ (2022年7月28日 10時) (レス) @page19 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧月 x他1人 | 作成日時：2021年9月9日 15時
