当たり ページ13
稀血の国見英のことだろうか。
そうだとしたら幸運以外の何でもない。
若干の期待を胸に、言われた席に向かう。
「よろしくね、国見君」
とりあえず微笑んでそう言うと、無愛想な返事が返ってくる。
「よろしく」
「あの、私まだ教科書を持っていないので、見せていただけるとありがたいのですが」
「別にいいよ、ていうかなんで敬語」
「あ、ごめん。つい……」
転入生としておかしくない話題を振り、気付かれないようにさり気なく机の上に置いてあるノートを見る。
――当たり。
そのノートの記名欄にはしっかり「国見英」と書かれていた。
思わず緩んだ顔を引き締め、仲良くなるための作戦を練る。
隣の席、教科書を一緒に見る、これだけで仲良くなれるだろうか。
考えこんでいると、いつの間にホームルームが終わったのか、Aの席の周りを取り囲むようにしてクラスの女の子たちが立ちはだかっていた。
「ねえ、氷室さん。氷室さんってどこの学校から転入してきたの?」
「部活とか、もう決めた?」
「氷室さんってすっごく美人! 彼氏いる?」
目をきらきらさせ、次々と質問をとばしてくる。
「……キメツ学園っていう東京の学校からきたの。部活は、男子バレー部のマネージャーをやりたいなって思ってる。彼氏いるかはないしょ」
Aは勢いに押されながらひとつひとつ答えていく。
「え、ちょっとまって。男バレのマネージャー!?」
「大丈夫なの?」
「そもそも面接あるよね?」
顔を曇らせ、ざわつくクラスメイトたち。
「えっと。大丈夫ってどういうこと?面接って?」
Aの顔に疑問と不安が浮かぶ。
クラスメイトたちは戸惑ったように顔を見合わせていたが、リーダーらしき人がついに口を開いた。
「男バレにはイケメンが多いから男バレのマネージャーはたいていいじめられるの」
「結構陰湿ないじめもあってね。転校しちゃった子もいるんだよ」
「それでもマネージャーをやりたいって人が後をたたなくて、面接をするようになったらしいよ」
「面接通ってマネージャーできた人はひとりもいないから、大丈夫かなって」
「いじめられないかなっていう心配もある」
聞いていたAの頬を、冷たい汗がつたった。
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碧月(プロフ) - ものすごく、ですと……!?ありがとうございます!!頑張って更新していきますのでよろしくお願いします!! (2022年10月17日 1時) (
レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 - 碧月さん» ものすごく面白かったです。更新するのを待っています! (2022年10月15日 20時) (レス) @page21 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 椿さん» 返信遅くなってすみません!! 面白いと言ってもらえるととても嬉しいです!! 更新遅くて申し訳ないです……できる限り早く更新していきたいと思っています。気長に待っていただけたらありがたいです。 (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 和南さん» 返信遅くなってすみません!! ご指摘ありがとうございます。よりにもよってキャラの名前を間違えてしまうとは……申し訳ないです。誤字脱字が無いよう頑張っていきますが、もし見つけたら報告してくださると嬉しいです! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - とても面白いです！更新頑張ってください！応援します！ (2022年7月28日 10時) (レス) @page19 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月 x他1人 | 作成日時：2021年9月9日 15時
