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火を見るより明らか ページ11

少し怯えた顔の先生に、威圧し過ぎたかな、と後悔するA。

だが知ってしまってからでは遅いのだ。

Aはここの生徒たちの普通の学校生活、心の平穏も守らなければならない。

そのことを改めて胸に誓い、いつの間にか消えていたやさしげな微笑みを再び貼り付ける。

「では。先生、今日からよろしくおねがいします」

「えぇ。今日からよろしくね。あなたが転入するのは1年6組。私はあなたの担任の佐藤よ。氷室さん、今から教室に向かうからついてきてね」

「はい」

佐藤先生はそう言うと歩き出した。

Aは先生のあとについて歩きながら学校の様子を観察する。

青葉城西高校の校舎の地図は覚えている。

脳内の地図と照らし合わせながら危険なところがないかチェックしていく。











――うーん、これはきついぞ。

Aは佐藤先生の後について少し進んだところで、今回の任務が大変なものになると悟った。

まず、校舎が広い。

地図を見たときに薄々感づいてはいたのだが、やっぱり広い。

そして、複雑に入り組んでいる。

お館様が各学年に1人ずつ行かせた理由を今さらながらに理解する。

こんなに広くて入り組んでいると、いくらAでも一学年が限界だ。

さらに、鬼が隠れられそうな暗がりがいたるところにある。

こんな学校に稀血が四人もいるのだ。

大変な任務になるのは火を見るより明らかだ。

憂鬱な気分で廊下を歩いていく。

佐藤先生は階段の踊り場で一度足を止める。

大丈夫かとこちらを気遣う目線に、Aは大丈夫です、と笑みを返す。

ただ、広い校舎にうんざりしているのは確かだ。

――もう随分歩いたのにまだ着かないのか。

辺りを見回しても生徒の姿は見えない。

Aは思わず吐き出しそうになったため息を、鍛えられた強靭な精神力でなんとか止めた。












佐藤先生は3階のだいぶ奥まで進んだところでようやく足を止めた。

「氷室さん、ここがあなたが今日から勉強する教室よ。……この学校、前は生徒の数がすごく多かったのよ。今では半分以下に減ってしまったけれど。だから空き教室も多いの。1年生の教室は奥にあるし、慣れるまでは大変かもしれないけど頑張ってね」

「はい……」

なるほど、それでこんなに広いのか。

空き教室が無駄に多いのも納得だ。

Aはひとり納得して頷いた。

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碧月(プロフ) - ものすごく、ですと……!?ありがとうございます!!頑張って更新していきますのでよろしくお願いします!! (2022年10月17日 1時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 - 碧月さん» ものすごく面白かったです。更新するのを待っています! (2022年10月15日 20時) (レス) @page21 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 椿さん» 返信遅くなってすみません!! 面白いと言ってもらえるととても嬉しいです!! 更新遅くて申し訳ないです……できる限り早く更新していきたいと思っています。気長に待っていただけたらありがたいです。 (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 和南さん» 返信遅くなってすみません!! ご指摘ありがとうございます。よりにもよってキャラの名前を間違えてしまうとは……申し訳ないです。誤字脱字が無いよう頑張っていきますが、もし見つけたら報告してくださると嬉しいです! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 68ee274034 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - とても面白いです!更新頑張ってください!応援します! (2022年7月28日 10時) (レス) @page19 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧月 x他1人 | 作成日時:2021年9月9日 15時

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